第10話 もののあわれ

ある日、チョク兄ィはとある先生をボコボコに袋叩きにしてしまった

その理由は軍事教練のために派遣されていた

井上少佐の悪口を言ったからだと言う


このことで父さまも学校に呼ばれて注意を受け

チョク兄ィを叱ったが

それでも


彡(●)(●)「ワイは悪くない!!」

と主張し部屋に閉じ籠もってしまった


夜中

彡 •⌄• )「チョク兄ィ?」

彡(゚)(゚)「ん?カズコか……」


彡 •⌄• )「隣に行っていい?」

彡(゚)(゚)「……ええで」


彡 •⌄• )「はい、コレ。お腹空いてるでしょ」

彡(゚)(゚)「おにぎりか……」


彡 •⌄• )「うん、川◦-◦)お姉ちゃんが持っていってあげてって……」

彡; •⌄• )「あと激おこの母さまは……」


彡 •⌄• )「川´_ゝ`)お兄ちゃんがなだめてくれてるわ」


彡(゚)(゚)……モグモグ

彡 •⌄• )……


彡 •⌄• )「……ねえ、なにがそんなに気に入らなかったの?」

彡(-)(-)……


彡(゚)(゚)「聞いてくれるか?」

彡 •⌄• )「うん!」


彡(゚)(゚)「あのクソ教師な……井上少佐のことを……」

彡(゚)(゚)「人殺しが偉そうにってほざいたんや」


彡(゚)(゚)「お国のために命をかけとる軍人に……」

彡(゚)(゚)「言っていい言葉とちゃうやろ」


彡(゚)(゚)「もののあわれを知らない奴が教師をしとるなんて……」

彡(゚)(゚)「そっちの方がおかしいわ」


彡 •⌄• )「もののあわれ?」

彡(゚)(゚)「うーん……なんて言ったらいいもんか……」


彡(゚)(゚)「人としての心……悲しみを解する心のことや」

彡 •⌄• )「ふーん」


彡 •⌄• ) .。oO(チョク兄ィは……)

その破天荒な行動から傍若無人で乱暴な人として思われがちだけど……

文学を愛する、とても繊細な心の持ち主だった


ある時、同級生のお兄さんで文学仲間だった月くんという子が

病で亡くなったことがあった


月くんの家は……その……ちょっと色々あって

近づこうとする人は少なかった

だから、チョク兄ィが月くんの葬儀に参加することを家族は反対した

それでも、反対を押し切りチョク兄ィは一人で参列した

そして兄を失い落ち込む同級生に


彡(゚)(゚)「辛いやろうけど、明日からちゃんと学校に来るんやで」

彡(゚)(゚)「ワイが待っとるさかい!」

彡(゚)(゚)「独りで抱えこまず、一緒に泣こうや……」


と声をかけた


彡 •⌄• ) .。oO(チョク兄ィはよくこう言った……)


『友の喜びにはゆっくり行き、友の悲しみには急ぎ行くべし』


彡(゚)(゚)「ワイらは喜びを共にできんくとも……」

彡(゚)(゚)「悲しみは分かち合わなアカン!」と

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