シスコン姉は隠しキャラと婚約者と一緒に演劇をする



「それでは皆さん、今から演劇を始めましょう」



先生がいきなりいい始めた

はい?演劇?

先生は教卓をバンッと叩き興奮気味に言った

えぇ?こっちは男装までさせられて今度は演劇?

これってホントに授業なの?

あぁ、私のスフィアに会いたい

私は恐る恐る聞いてみた



「先生は一体何をやれと言うんです?」



「ソフィアさん、口調を改めてください」



「分かりました、先生は何をやれと言うんですか?」



「勿論、恋愛劇です!!」



「「「「「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」」」」」」



クラス全員でハモった

れんあいげき?

howattu?

先生、もはやそれ授業じゃない



「では劇場に出発しますわよ!!団体名は『月夜の灯』、もうデビューも決まってるんですから!」



「「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」」



ちょっと待とう?

落ち着こう?

ほら、隣のディランくんやクロードくんもあっけらかんとしているじゃないか

私達は強制的に先生が発動した転送魔法で転送させられた

目を開くと古くて広い劇場に居た



「さあ、早速準備に取り掛かりますよ!今回の劇名は『シンデレラ』」



し、シンデレラ!?

よりにもよってあの!?



「さあさあ、セリフ配ってきますよーあ、後ディランさんとクロードさん、ソフィアさん来てください」



私は呼ばれて広い舞台を駆け巡り先生の元へ行く



「貴方達は抜群に顔がいいからソフィアさんが王子様ね、そしてディランさんは王子様の婚約者の公爵令嬢、クロードさんはヒロイン、シンデレラよ」



「「「えっ?」」」



「はい、台本渡すからがんばってね、貴方達が大事な要なのよ」



私達は先生に台本を受け取り裏舞台の端っこの席に座った

私達は台本を黙々と呼んだ



「私なんでこんなクズ男を演じなきゃなんないの!?」



「えーソフィーに振られる役なのぉ」



「なんだ、この女狐は!?」



台本を呼んだ私達の感想は最悪だった

なんか乙女ゲームっぽいししかも私がクズ男役なのよ!?

ディランなんていつも笑っているはずなのに涙目だしクロードはプルプルと台本の中のシンデレラに怒りを露わにしている

分かるわ、その気持ち

先生よりにもよってなんて最悪な小説を選んだのー



「い...‥いったん練習しよう?」



「そ...‥‥‥そうね」



「そのとおりだわ」



クロードとディランは無理やり令嬢語を話しながら笑う

私はまず没頭のセリフを呼んでいく



「ああ、我が愛しのセシリア姫よ」



「なんでしょう?クレイ王子」



私の呼びかけに続けてディランが答える



「あ...アタシも王子様とお話したいです」



クロードが恥ずかしながらセリフを読む

なにこの台本...‥‥‥恥ずいなぁ

シナリオはこうだ

主人公のクレイ王子には美しい婚約者のセシリアがいて既に体の関係を持っていたほどに親密だった

だがそんな所にヒロイン、シンデレラが来る

クレイ王子はチョロくてすぐにシンデレラとも体の関係を持つ

そしてシンデレラに夢中になり結果セシリアと婚約破棄をしてハッピーエンド

何この最悪なシナリオ



「でもソフィーを体の関係を持てるんだったらいいかなぁ」



ぼそっとヤバい発言をするディランに頷いているクロード、ちょっと私の中で二人の好感度が下がったのは仕方ないのである

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