Sクラスと手芸




ひとしきり自己紹介が終わった後私は教卓を見た



「はい、注目。君たち、Sクラスを担当するライカ・シュリです。ではまずは皆さん魔力量を測りましょう」



ああ、異世界おなじみの測るやつね

私は教卓に立っている先生を見た

どうせ、モブだから魔力量は知れてるわよね

測るのも無駄だわ



「じゃあ皆さんは手芸をしてください」



は?手芸?

魔力量を測るのと手芸は何の関係があるのでしょうか?

先生は針と布を配っていく

ちょっと待って?

糸は?

肝心の糸は無いのよ?

うん、異世界ってすごいわね

常識が全然違うわ

私の前には針と布が配られる



「ではその布で皆さん魔力を込めてハンカチを作ってください」




えぇ?

まあハンカチと言えばまだスフィアには作ってなかったし作ろうかな?

私は針に魔力を込めて糸を作り縫っていく

スフィアの笑顔はもっと天使みたいで.....

うんうん、上出来だわ



「ソフィー、出来た?」



「えぇ、柄はスフィアの笑顔にしたんだけど....おかしかったかしら?」



「私じゃないんだぁ、悲しいなぁ」



「黙りなさい」



私はディランと他愛のない会話をする

ふと横で黙々と縫っている隠しキャラ、ことクロードを見る



「クロードは何を縫っているの?」



「黒薔薇だ」



「「......」」



ディランと私は黙り込んでしまう

黒薔薇って......お葬式で供えるものじゃない......

私達は苦笑いをして縫っていく



「ところでディランは何の柄かしら?」



「ああ、勿論ソフィーだよ」



こっちもか......

しかもディランのハンカチを除くとリアルな本物か?ってレベルな私が縫われている

ちょっと引くわ.........

.

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