転生したら悪役令嬢の異母姉だった〜前世の記憶を思い出したので異母妹の悪役令嬢を溺愛しようと思います〜

ちーずけーき

第一章

悪役令嬢の異母姉です



――チュンチュンチュン

窓の向こうで鳥が囀っている

楚々よかに吹く風

花びらが舞美しい光景

だが私はこの光景を単純に綺麗だとは思えなかった

なぜなら私は気づいてしまったからだ

は私が前世でやっていた乙女ゲーム『ある晴れた日に』の世界なのだ

最初は気づかなかった

でもの悪役令嬢のスフィアが生まれて分かった

ここは本当にの世界だったんだ――と......

私はゲームでたった二行しか出てきてないただのモブだ

ゲームでは『悪役令嬢の異母姉、ソフィア・ディスカ・ブルーレイ。絶世の美女で常に社交界に出ている、悪役令嬢のスフィアを嫌っておりハッピーエンドでスフィアが処刑されるときも社交界にいたとか』

そう、ほぼ空気扱いの......

だがまだ私は3歳、そしてスフィアは0歳だ

まだやり直せる!

私はもともと悪役令嬢が推しだから悪役令嬢が妹ってこれ以上幸せなことは無しね!

私は椅子から立ち上がり私の後ろで遊んでいるスフィアへ視線を向けた。



「スフィア、一緒に遊びましょう!」



私がそう言ってスフィアが積み木遊びに入れてもらうとスフィアは満面の笑みでこちらを見た

はう......!

変な声を出しそうになる

やっぱり妹は尊い...!



「スフィア、見て!ストーンヘンジよ!」



私は積み木を円場に並べて適当にストーンヘンジを作った



「だ〜あ!ね〜さましゅごい」



ああ、家の妹が可愛すぎる...!

やっぱりスフィアは悪役令嬢なのからか生後6ヶ月で単語を話せるようになるという天才なのだ!


「もっと、ちゅくって」



「いいわよ〜」



私は調子に乗り色々なものを作った



「こっちが姫路城で隣が五稜郭よ」



「ごりょ〜かく、すき」



スフィアは私が作った下手な五稜郭に興奮気味で指を指した

やっぱりスフィアは世界で一番可愛いわ



「スフィアは五稜郭が好きなのね、私も五稜郭好きよ」



「おそろい、おそろい」



「そうだね、スフィアとおそろいだね。姉様嬉しいわ」



「すふぃあも!」



ヤバい...!

スフィアとお揃いなんて素敵すぎる!

よしっ!姉様は決めたぞ!

スフィアの破滅フラグを姉様がへし折ってやるぞ!

そして一生一緒に過ごそうね〜



「ソフィア、スフィア夕食の時間よ〜」



せっかくスフィアと一緒に遊んでいたのにバンッとドアが開いて継母が入ってきた

私の実の母親は体が弱くて私を産んだ後にすぐ死んじゃったんだよね

そして私とスフィアの父、公爵は後妻を迎えたんだっけ?



「分かりました、義母様」



「ねえさま、だっこ〜」



私が立ち上がろうとするとスフィアが私のドレスの裾を掴みバンザイしている

ああ、可愛すぎる...!

私はスフィアを抱え継母の後をついていった

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