8話 ソロと流浪

「おい! そっち行ったぞ!」

「分かってるって」


 影佑えいすけがgrandworldonline《グランワールドオンライン》を始めてから1週間が経った頃、戦闘にもだいぶ慣れてきたミカゲは京花きょうかとパーティーを組んでモンスターと戦っていた。


「初心者なんだからちょっとは大目に見ろよ

「そんなんじゃいつまで経っても成長しねぇよ」


 京は京花のプレイヤーネーム。

 とても安直な名前、もはや本名だ。

 戦闘が終わり街に戻り、街の中央にある集会所で換金を行った2人。

 ベンチに座ったミカゲは京に突然あることを聞く。


「あのさぁ…お前もフレンドとか居ないの?」

「は? なんで?」

「だって俺と椿ぐらいとしか会ってないじゃん」

「だからって勝手にぼっち認定するな、俺は同じ人とずっとパーティーを組んだりしない」

「えっ? そういうものじゃないの」

「まぁそういうものかも知んないけど、俺は違うの」

「例えば?」

「例えばって…、俺のサブ職業ジョブは商人だから色んな場所行って安いものを高く売る、そういう生き方をしてるんだよ」

「ホント転売ヤーだよな」


 ミカゲはストリートを紹介されたあの後、椿裁縫店でサブ職業について教わった。(書くのわすれてました、すいません)

 軽く説明すると鍛冶師は主に武具を作る。裁縫師は服を作る。錬金術師は薬やアクセサリ、商人は戦闘でのお金が手に入りやすく、人(NPC以外の)が売ってるものを安く買って高く売る事ができる職業。初心者にはおすすめされているが、一度足を突っ込んだら絶対やめられない職業らしい。


「別の地方のプレイヤーと共闘することとかよくあるんだよなー」

「一人ではいるもののプレイヤーの数は多いってことか…、グッ」

「何だお前」


 ミカゲには今の京が敵にしか見えていなかった。




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