7話 錬金術師(アルケミスト)

 京花の妹、椿(プレイヤーネーム)に初めて会った翌日の夜。

 景色の良い草原。ミカゲの戦闘デビューを飾った場所だ。

 ミカゲはそこから更に奥へと進む。草は他のものより色が濃くどんよりとした暗い雰囲気の場所についた。

 ここには主に虫のモンスターや、毒を使うモンスターが住み着いてる。


「やな雰囲気だな…」


 ミカゲに課せられたミッションは薬草と毒虫の触角の入手。

 薬草はそのへんに生えている回復の素になる草。触角は毒虫のいくつかの種類が倒されたときに落とすドロップアイテム。

 今回作ろうとしているのは、回復薬と毒薬だ。

 そしてミカゲは無事モンスターと接触するが面白みが全く無いので素材を手に入れて街に戻るまでカットしたいと思う。


「只今帰りましたよー」

「あっ、お帰りです」


 今は椿の店の奥に小さな作業スペースを作ってもらい、ここで作業をさせてもらっている。


「じゃぁ早速始めようか」


 ミカゲは薬のレシピを開き作業を始める。


「えっと…回復薬は、薬草2つだけでいいの!? めっちゃ作れるじゃん」


 制作物を20回以上制作すると、スキル『調合』でどこでも素材さえあれば作ることが出来る。

 この調子で毒薬も作っていくミカゲ。


「思ったより必要な素材の数が少ないんだな。これならいっぱい作って売りまくることも可能だな」


 このゲームでの回復方法は限られている。魔術師、白魔術師、赤魔術士のどれか、又は回復薬による回復、錬金術師は想像以上に需要がある。それに作れるのは薬だけでなく、アクセサリや爆弾も制作できる。

 そんな強職業ジョブを選択したミカゲはラッキーなのか、はたまたアンラッキーだったのか。


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