MMORPGに来てまでぼっち生活!?俺は根っからのソロプレイヤーだった。
山田羊
ソロプレイヤーデビュー
0話 智美影佑のStory1
教室の隅、ちょうどよく日の当たる席で陰ながら弁当を食べる生徒がいる。
なぜ俺には友達が出来ないのだろうか?
今日もそんな事を考えながら窓の外を眺めている。
「フフハハハッ 今日もそんな事考えてたのかよ」
「相変わらず悪魔みたいな笑い方だなお前」
学校の帰り、影佑の数少ない友達(3人中2人は人外)である
「…どうした影佑?」
後ろの足音が途切れたことに気づいたのか、京花が後ろを向くと。
『いま話題沸騰中のVRMMORPG、grandworldonline《グランワールドオンライン》』影佑は大画面に映ったcmをどこか無気力な目で眺めていた。これは、広大なファンタジー世界をプレイヤー達が様々なスキルを駆使して冒険するVRMMOゲームである。
「影佑…お前普段ゲームすんの?」
「んー、まぁするよ。他にやること無いからね」
「なんともまー悲しい発言だな」
「仕方ない、だってホントのことだもの…」
影佑の発言によって気まずくなった雰囲気を立て直すかのように京花がある提案をする。
「なぁ影佑、やろうぜ…アレ!」
「は? どれ?」
「さっきのだよ! grandworldonline! 俺アレやってるしLvまぁ高いから、少しはサポートとかも出来るしさ」
「いやっ、俺頭のやつ持ってないから…」
「んなもん買えばいいだろ。金持ちなんだから」
「お金持ってるのと何でも買えるのは違うよ」
「いいや違くないね」
「いいや違うね」
このままじゃ埒が明かないと思ったのか、京花はこう言った。
「それじゃあ影佑のお母さんに聞こうぜ」
「は? ズル」
※ ※ ※ ※
「もちろん良いわよ!」
即OKである。
「フッ…」
余裕の笑みで影佑に笑いかける京花。
「いや、ズル」
「んじゃ、そういうことで…また明日ー。色々調べとけよ。あっ、お邪魔しました」
影佑の奇怪な顔を見れたからか、はたまた一緒にゲームをプレイすることが出来るからか、ご機嫌な声で家から出ていった。
「…ホント台風だな、アイツ」
京花が家を出た後、影佑は自室に行きベッドの上で横になった。さっき言われた通りにスマホでゲームの情報について見ている。
ゲームって言っても、いわゆる協力ゲームはやらないんだよ。パズルゲームとか、格ゲーとか、レースゲームとか、対戦ゲーム…協力ができる狩りゲーでもずっと一人、…人と息合わすって難しいもん。
※ ※ ※ ※
『ねーみんなー、影佑くんも混ぜてあげあげようか』
『やだ! だってこいつキモいもん!』
※ ※ ※ ※
『おい、智美はまだグループ決まってないのか? どこか空いてる班入れてあげなさい』
『嫌だよ。だって外人とは話し通じないもん』
※ ※ ※ ※
『せんせー、うちの学校髪染めちゃ駄目なのに何で智美だけは染めて良いんですかー』
『智美はアレが地毛なんだ。なぁ智美?』
『でも智美ってハーフとかじゃないんですよね? おかしくないですか?』
※ ※ ※ ※
ガタッ
『おいやめろってお前』
『うわヤバっ!』
『あーごめん、…えっと』
誰だっけこいつ…
『おい、お前ら邪魔』
『あっ、泉くん。ごめん』
『災難だったな。智美影佑くん』
※ ※ ※ ※
「仲間…ね、今の俺にはもう十分なくらいだな」
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