第136話 コンクリートをつくる!二つの七つ釜

同年 八月 小佐々城 小佐々純正


セメントをつくるには石灰石が必要なので、どうするか考えていた。


石灰石の鉱山では思い浮かばなかったけど、鍾乳洞の七つ釜は唐津にもあった事を思い出した。領内から貝殻という貝殻を採取して、彼杵の七ツ釜と唐津の七ツ釜から石灰石を採掘してセメントを作る。


領内の幹線道路を舗装するためだ。しかし環境保護の観点から、洞窟にぶち当たったら方向を変えて、なるべく景観を壊さない様にした。わかっている事だから、やっぱり現代人として無茶はできないかな、と。


もう一つの材料は粘土だ。三川内・波佐見・有田・伊万里・唐津から持ってくる。強度の問題があるので、産地別でつくり、粘土と石灰石、水と砂、砂利の比率でどれが一番強度があり、耐久性があるのかを試験している。


ああ!そう言えば、確か秀吉の朝鮮出兵のときに連れ帰った陶工が、焼き物をはじめたんだった!よし、招致に成功したら陶磁器を作らせよう。


三川内・波佐見・有田・伊万里・唐津・・・いろんな地区で作らせて、一大ムーブメントをつくる!ふっふっふ~。また金の匂いがw確か江戸時代に、オランダ東インド会社経由でヨーロッパに伝わって大流行したみたいだからね!儲かるぞ~。


ごほん。脱線したけどコンクリートに戻る。


材料のパーセンテージなんて知らないから、ざっくりとやって固めてみて、実際に道路に敷いてみる。なんとなく10センチくらいの厚さで。えーっと、一寸が3センチだから四寸くらいか。


ああそうだ。半島西岸の雪浦川に橋をかけないと。橋、橋、めがね橋!あれ確か中国のお坊さんが作ったんだっけか?石造りかレンガだった。レンガの強度の問題クリアできたらやろう。


今は渡し船なんだけど、人やギリ馬はいいけど、大砲は無理だったから迂回しなくちゃいけなかった。長さは、なんとかなるかな?深さと長さだよね。問題は。浅い川だったと思う。


また脱線した!幅がだいたい六間。一間はだいたい両手広げた長さなんだよね。これは尺貫法のなかでも、昔営業でざっくり家の面積見積もった時の名残で覚えている。その幅で六間(一間1.8m×6)10.8m。そこそこの幅か?


大きな馬車三台分くらいの幅かな。そうだ、ゴムも調達しないと。インドネシア?マレーシア?良くなるかわからんけど尻が痛い。道路舗装はそのためでもある。


0.1(深さ)×10.8(幅)×10.8m(長さ)で、11.664㎥


たった10メートルの舗装するのにいったい何キロ?何トンのセメントと水と砂と砂利がいるんだ?超巨大な公共事業だな。物流のためには道路整備は必須だ。それから日本で大砲が流行らなかった理由の一つが道路事情だと言われている。


確かに道幅が狭かったりでこぼこ道、さらに雨が降ってぬかるんでいては運搬もままならない。


必須だな。せめて領内だけでも。

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