皮膚と絆創膏
皮膚から立体感が盗まれて
未来の悪い選択肢たちは
僕の皮膚の上
天の川みたいに流れていきます
星の一生を知ることができない腹いせに
名前をつけてやった
そういうものたちのかたまりなのに
何かわかっているような気分に囚われて
足元をよく見ていないから
うっかりつまずいた時
傾いた景色はそのまま固定されて
今もまだ直らない
黄色く膿んだ目線は
目的地を決めるためには役に立たないが
歩くたびにふらつく
なんだか楽しくなるのは
きっとこの
愉快な軸のせいです
転けてまた転けて
傷口は恒久的に
膝小僧の中で自転する
その周期は一定だから
僕は集中できない
僕は役割を忘れる
選択肢が弾ける音を
何度もリピート再生して
えぐれた皮膚の部分に
絆創膏を貼る
何かを決めるたび
僕は絆創膏を貼る
そのうち絆創膏だらけになって
生きた傷口は
僕の皮膚の上
天の川みたいに流れていきます
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