第8章 最終決戦その4 白と黒の決着の果てにあるもの
第88話 エターナ・アルベェラータは本物の女神
黒焦げのエディウスに対する
なんの
………と思いきや、レアットは此処で不意に竜巻を起こす。巨大な竜巻に飲み込まれる両者。二人共々舞い上がってゆく。
「おぅっ、やってくれやっ! リンネの
「そ、それじゃアンタも………」
「構うもんかッ! 一発ブァァァァッとブチかませッ!」
「じゃあ、遠慮しないよッ!
まだミリアを失った悲しみの涙が閉じていないリンネに対し、俺
一瞬
「グッ! き、貴様ッ!」
「へへ……死なば
巨大な竜巻という名の結界と
レアットは強がってこそいるが、実の所、顔が引きつっている。実体のない刃が襲って来る無限地獄がこれ程に恐ろしいものとは、想像を
「
「アァッ!? て、テメェ一人で逃げる気か!?」
これはたまらんとばかりに違う
「
レアットは今吹いている嵐と真逆の大気の渦を創り出して、
(自由に戻れた
「そこにいるのは………。ははあ、その気配シアンだな。貴様の
「隠れても無駄………。そういう事、お前の言う通りだ」
エディウスが乗り移った先に身を隠していたのは、確かにシアンであった。それにしたって何も自分から姿を見せることはないだろう。
例の変わった槍を両手で普通に槍として構えているシアン。
またも
「シアン、貴様まさかこの期に及んで本気を見せないつもりではあるまいな」
「本気………。嗚呼、
「ならば此処で終わりにしてくれるっ! 『
アギドの
そんな
「し、シアンッ!」
「シアン様ッ! そ、そんな……」
シアンの
シアンが黒い炎に飲まれて消失した。他の者は余りに突然過ぎて、かける言葉を完全に見失った。
だが………余りにも
確かにシアンの存在が消えた。けれど誰も……術者のエディウスですら、シアンのことを忘れてなどいやしない。
「こ、これはもしやっ!?」
「………『
泡を食った様子でシアンの存在を必死にエディウスが探す。
突如何もない空間から声が聞こえ、その
「ば、馬鹿なッ?
(……化物め、これでもまだ死なないというのか)
「そう言うことだトリルの成れの果てよ。我が不可視化は完全なのだ。そして貴様が消したと早合点したのは、
シアンは首が本体と泣き別れになってなお、此方に最早聞きたくもない文句を投げて来るエディウスの成れの果てを内心気味悪がる。
けれど実は本物であった力をあえてひけらかすことで、此処からはコレで押し通すという圧力をかけたのだ。
なれどまさか生き物……ましてや術者自身を
「
(またか、やれやれ………次は
未だに
さらにすぐさま追い討ちを掛けようと迫ろう……とした。が、止めたのだ。
「
さらに
あろうことか、偽物であり恨みの対象であった筈のエディウスに対し、
もうとっくに生ある者を辞めていたと思われていた肉体が、元の白の代表の姿に戻ってゆく。
誰の血なのかすら定かでない返り血と、自らのソレの跡すらサクリッと消え失せた。
何故今になってあのエターナが!? これまで以上の衝撃が皆の背中を走り抜ける。
「え、エターナ……?」
「裏切った……とでも言うつもりですか? 私言いましたよ、エターナ・アルベェラータは
エターナに真の神を見た気になり、勝手に誓いすら立てたシアンが、特に言語を失いかけている。
そんな
「な、何故……どうしてなの?」
「フフッ……。この人はね、誓ってくれたのよ。
次はリンネがやはり信じたくない様子で声を震わせながら
「……ヴァイロ・ビブレ・べルソナータ、
霧に
「ふむ……。
「……か、隠れてないで出てきないよっ! この
「ハッハッハッ……。それこそどの口が言うだな、マーダは君を乗っ取るまでもなく、
相変わらず表に出ないで
要は取るに足らぬ存在だとヴァイロは、エターナを斬って捨てたのであった。
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