第4話 白き側の錬成
ここはロッギオネの首都アディスタラ。
カノンと同じアドノス島にあるのだが、この島最大の面積があるラファンを
ここにも生きながらにして神と
ヴァイロとは正反対に全てにおいて白を好み、普段の
髪の色すら生まれついての
ヴァイロと決定的に異なること。それは自らも神を主張し、周囲にも徹底させている事だ。
もっともその周囲の連中もエディウスを
その名はロッギオネ内だけに留まらず、女神に祈りを
この日エディウスは一人、神殿の最深部で騎士の姿で
「エディウス様、
「
三人の中央、残りの二人より少しだけ歩み出ている女性が進言する。
彼女の名は『ルオラ・ロッギオネ・ルマンド』。ミドルネームにその地域の名を
膝まで伸びたグレー系の髪の毛、
彼女はエディウス神に仕える者しか許されない特殊なスキル”
エディウスが
胸元は広く開いており、スタイルの良い長い脚を惜し気なく出しているのは、神に仕える女性としては露出が多すぎる。
能力が高い彼女だけに許された自由なのだ。
「し、しかし恐れながらあの様な
ルオラの左後ろ。少々恐れ多い感じで
黒く切り
勿体ないと思える程に綺麗な顔をしているのだが、性格的にルオラの様な押しの強い格好をする気にはなれない。
「こらっ、グラリンっ! エディウス様のお考えに口出しするとは何て無礼なの!」
「ひぃっ! も、申し訳ございませぬ……。あ、あとそのグラリンはお止めください」
「だって”グラリトオーレ”って面倒臭いじゃない」
ルオラの右後ろから注意をしたのは、
ただの
そもそもエディウスの守護職としての順位は、修道騎士、賢士、司祭の順なので、修道騎士というだけでその発言力は充分大きい。
ブラウンの髪に
どうやって騎士になれたのか不思議な体格である。
尚、エディウスに仕えし者は装備品も基本白を基調にするのだが、彼女が背負っている二刀は
パーソナルカラーを許されているだけで、レイシャの実力はうかがい知れる。
「よしなさいレイシャちゃん。御前ですよ」
「は、はい……」
ルオラがたしなめる。口調は柔らかだし、その顔は
ルオラはこの三人の中でも
エディウスが用意させたのは、別名”翼竜”と呼ばれるワイバーンの羽根・
金貨50枚。
ワイバーンはモンスターの多いこのアドノス島においても希少種であるし、金貨や宝石の原石などはグラリトオーレがいう程、馬鹿に出来るものではない。
まあ彼女の質問の
「フフフッ……明日には答えを見せようぞ。後は我一人が行うゆえ、今日はもう良い。下がれ」
「「はっ!」」
「エディウス様の
三人に背を向けたままエディウスは答えをはぐらかした。歯切れの良い低音が効いた高貴な声に、ルオラ達三名は操られたの如く
「クククッ……ヴァイロとか言ったか?
エディウスは三人が去ってから、決して誰にも見せない表情で笑った。
◇
全裸同士の男女がベッドで横になっている。
一人はリンネ、初めての行為に及んで疲れたのか、腕を枕に寝息を立てていた。
腕枕の主は言うまでもなくヴァイロであった。彼は寝ておらず、つい今しがたまで少女だと思い込んでいた女の寝顔を、複雑な表情で観察している。
(リンネ……俺だって男だ。何とも感じていない女と4年も共に暮らしたりするものか……)
12歳だった頃の彼女を親のいない施設で見つけた時は、その不思議な能力に興味を抱いただけであった。
なれどこの同居人は、自分の事を上下何れにも扱わない心地良さがあった。
それにこれ迄一度も
特等席で聴けるこの独占には、何物にも替えがたい魅力がある。
しかし
(俺は
「いや、馬鹿な事を……彼女は大いに応えてくれたし、これからだって変わらんっ!……んっ!?」
「もぅ…何なの?」
つい大きな声を出してしまったヴァイロ。リンネが驚いて目を覚ますのは当然だった。
彼女は自分が何も身に纏っていない事を理解すると、今さら恥ずかしくなったのか捨てたタオルを素早く拾って全身をしっかり包んだ。
「で……一体急にどう……した?」
真っ赤な顔でヴァイロの腕の中に戻るリンネ。ヴァイロは事が済んでから自らの想いに悩んでいるなどと言い出せなかった。
困った
「り、リンネ……お前は俺のどこがそんなに良かったんだ?」
「え……」
我ながら
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