第18話

「マスタ〜全くデドベアーが見つからないんですけど〜」


レイが窓から顔を出し、辺りに魔物が居ないか見ている。


「まあ〜あの通り道はやっぱり俺のキャンピングカーが通った道が勘違いされただけだったし、それにまた勘違いされないように木にぶつからないように移動してるから遅いし、デドベアーも、そうそう見つからないんじゃないか〜」

「ですよね〜」


木を避けながら運転しているので、ノロノロ運転をしている。

 居ないな~金貨20枚

俺も、デドベアーが金貨に見える。強い魔物とは知っている。だが、何故か異世界に来て借金を共有することになった。おかしなことだがな。


「そういえば、なんでレイはツケが貯めてたんだ?」

「それはですね〜....恥ずかしながらお金を払うと言うことを知らず、そのままお金を払わずに出て行っていたら「ツケでいいね」って言われている「はい」って言ってたらいつの間にか金貨20枚ほど貯まってまして〜」

「アホだな」


まあ、ツケとかを教えない冒険者ギルドもどうかとは思うがな。


「あ、アホじゃないです!!あれは、冒険者ギルドの陰謀です。ツケって冒険者ギルドが払うってことだと思ってたんです。だから、これは冒険者ギルドの陰謀なんです。私にまとめてお金を一括で払わせるための!!」

「いや、考えすぎだな。レイが、常識的な知識があればそんなことにはならない。

「むー」


 怒ってきたが、本当の事をレイに言うと図星だったからか何も言い返すことが出来なくなり、唸っている。


「休憩するか」

「マスターまずいです。このままじゃ、お父様にチクられます。」

「もう、それでいいんじゃないか~お父さん国王なんでしょ?金貨20枚くらい払ってくれるんじゃないの~」

「それはダメなんです。マスターなんとかしてください。」


と言われても、なんともしようがない。

 というか、レイが最初に会った時に戦っていたドデベアーはどこであったんだ?

そう思い、聞くことにした。


「なあ、俺とレイが最初にあったときにレイってドデベアーと戦ってなかった?」

「はい、戦ってました。」

「どこで?」

「どこでって、え~と。確か、私は早くツケのお金を支払わなくてはと思い、A級クラスの魔物が居ないか探している途中に、美味しそうな黄色い木の実の場所で休憩してたら襲われたので黄色い木の実が実っている近くらへんだと思いますけど?」

「じゃあ、そこに行こう案内して。」


もしかしたら、その近くにドデベアーの巣穴かなにかがあるのではないかと睨み俺はその近くまで案内してもらった。


「ちょうど、ここらへんです。ほら、甘い匂いが」

「確かに、甘ったるいにおいがする。あの、黄色い木の実の匂いかな?」

「そうです。あの木の実を一口食べたんですけど、とっても美味しかったんです。マスターの為にも取って来ますよ。」


レイは身軽な体を使い、木の上になっている黄色い木の実を取って俺に渡してくれた。その木の実は手のひらサイズの大きめの木の実。皮は柔らかいのでそのまま食べてみた。


「う...あっま!!甘すぎやろ」


俺が、今まで食べて来たどの果実よりも甘い。

 練乳をそのまま食べているような感覚に襲われた。


「そうなんですよ~その果実って甘すぎてあんまり食べられたりしないんです。」

「まあ、これほど甘いとそうだはな~だけど、これなら砂糖とか作れそうだな?」

「砂糖ってなんですか!?」

「お、おう。砂糖って言うのは、甘い奴だ。」

「ええ~期待外れです。」

「いやいや、砂糖は持ち運びが出来て保存も効く。それに、砂糖さえあればプリンだって作れる。」

「プリンですか?」

「そう、プリント。プリンは、滑らかで柔らかく口当たりがよく、ほんのりバニラの香りが口に入れると口の中で広がり、甘さはちょうどよく、口の中でとろけるように溶け、冷たいプリンはひんやりとした食感がありるし、プリンの上にかけたカラメルソースとの相性が抜群で、甘さと苦みが絶妙に調和して、一口食べると幸せな気分になるやつだ。」

「マスター!!プリン。プリン食べたいです。今すぐ食べたいです。」

「そうだな~砂糖だけじゃあ作れないけど、実っているクソ甘い木の実を取ってきてくれ。」

「了解です。マスター!!」


と言う感じで、思わぬ収穫と発見をした。

 むしろ、ドデベアーを倒さずに商売が出来るのではないか?

貴族に金貨1枚で売ったとして、20杯売ったらレイの借金は返済。俺は、お金持ちになるかもしんねえな~


この時の俺は夢を見ていた...


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