序幕② 4月14日(第1発見者の証言)
「ちょ、ちょっと……大丈夫ですか?」
「すっ、すぐに救急車呼びますから!」
「って、あれ……」
「番号、番号何番だった?」
「そうだ交番、交番に」
「今、お巡りさん呼んできます!」
『シ』
「え? 何ですか?」
『シ……ド……』
「すいません。もう一度いいですか?」
『シ、サ、
ド、ク、
ア……』
◆
『四月十四日未明。東京都
◆
「もうびっくりしました。今でもトラウマです。あの日は仕事を終え飲みに行った帰りで、結構酔っぱらってて。で、店を出たらものすごい大雨。店の人に頼み込んでどうにか傘を借りることができたんで、タクシーを拾おうと駅に向かいました。そしたら後ろで、バタッて大きな音がしたんです。で、振り返ったら血まみれの男性が倒れてて。でも最初はわかりませんでした。真っ暗な夜だったし、雨に流れて血の色も薄かったから。けど、その手を見てゾッとしました。指が、指が無くて。すぐに救急車を呼ぼうとしたんです。ただ番号、ド忘れしてしまって。だから交番、駅前の交番にと。で、行こうとしたらその人が。力尽きる前、最後に何か言ったんです。でも。よく聞き取れませんでした。すいません」
「え? 何て言ってたか、ですか? ええっと、たぶんですけど。確かその時……」
「
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