第41話越後平野
冬は寒いよなーー。
雪がこんこんと降ってるしーー「寒う!!」。
それなのに・・・真田幸綱が余計な仕事を持ってきやがったよ。
いくら同盟を結んで円滑にする目的だからって・・・そこまで、させるかなーー。
【越後平野開拓プロジェクト】だ。
本州日本海側の平野としては最大の面積だよ。
上杉も上手く活用出来てない土地だよね。
現代では、広大な田が広がっているが・・・土地だ。
この時代は・・・ダメダメな平野だよ。
水はけの悪い土地で水田は泥沼のような湿田。俗に「どべ田」と呼ばれてたよ。
農作業のために腰まで泥に浸からなければならなかったんだよ。
農作業が終われば泥だらけだね。
そんな平野に流れる川は、信濃川。
日本で一番長い川で、流域面積は日本第3位。
信濃川は、その膨大な水量で越後平野を潤してきた。
いったん氾濫すると手に負えない暴れ川となるんだよ。
人が流されて見つからないなんて、当たり前にあった時代だよ。
検索で水害の浮世絵も見たよ。
おっさんが子供を抱えて柱にしがみつく、箪笥は流されて、老婆は女にしがみついてたな・・・
信濃川の河口がどれくらい広いかというと、河口にかかる有名な「万代橋」(1910年頃)。
782メートルもありました。
そんな川の氾濫で大きな被害を出し、農民の生活は非常に貧しかった。
水害にあった地域は、「水腐地」と呼ばれ5年間の免税が認められる程なんだよ。
1758年でも毎年のように不作で、飢餓にさらされてたらしいよ。
その【越後平野開拓プロジェクト】の責任者が俺・・・
なので検索の間で調べたよ。
「地図では、ここが場所的にあってるな」
大地に手を触れて土魔法を発動。
ボコン、ボコンと地盤沈下して固める。
「もっと川幅が広い方がいいな・・・」
ボコンと地盤沈下。
更にボコン、ボコン、ボコンと作る。
西川の水運を邪魔することなく工事するのが問題だったね。
西川と新しい川を立体交差させるという、高難度をやってのける。
新しい川を作ったよ。
巨大水路となって余分な水の排水に成功。
数々の排水路も作ったね。
低湿地帯を排水して干拓する。それによって湿地帯は乾田化へと激変。
そして堤防も同じく作り続けたよ。
川底も凹っと掘ったよ。
どうもこの【越後平野開拓プロジェクト】今年には終わりそうにないぞ。
それでも前より良くなった。
後は大雨だな・・・あれ? ・・・ここでも雷魔法で雨量調節をやでばいいじゃん。
もう、経験を積んだから雨量調節も出来るようになったぜ。
その成果は、他の領地まで被害が及ばなくなったことだ。
もう、めちゃくちゃ広範囲を支配出来るんだ。
しかし、その反動も凄いよ。
何もやる気がなくなるんだ。精神集中のやり過ぎだね。
三言寺に帰ったら・・・田吾作じいさんと孫娘が何やらやってる。
2人は、しまったって顔だ。
「何をやってるんだ」
「何もやってませんよ。なあ千秋」
「え!・・・・・・」
あれ、あっちにもこっちにも米作り指南書の本が積み上げてるぞ。
米作り指南書を
ああ、素人だから色むらが・・・なんて下手なんだよ。
あああ、見当がずれてるよ。
折角の赤の矢印がずれて、意味をなさいなぞ。
「ここの端っこと、タテのここと、ヨコのここを合わせる」
「あれ!これをどうする積もりだ」
「上杉さまからの依頼で、越後が農協加盟したので来年のためにすってました」
えええええ・・・聞いてないよ。
上杉に頼まれたのは、真田幸綱だ。
真田幸綱は、田吾作じいさんに泣きついたんだ。
ああ、いつものパターンだ。
それに越後まで頻繁に瞬間移動なんか出来ないよ。
ばれたら大変だ。
今回の越後入りも、信濃から走り続けて入ったからね。
領内でも、ばれない工夫をしてるからね。
領内では、立入り禁止区域を指定。瞬間移動専用の土地だ。
仏の神聖な区域で、近づくと罰があたるって、知らない間に噂されてたよ。
それが越後には無い。
そうだ・・・加賀屋をオープンさせよう。
そこに移動の間を作ればいいだけだな。
「田吾作じいさん、越後に加賀屋の店をだそう」
「それは、いい考えです」
まあ、植物魔法を田に施さなくてもいいかな。
いやいやダメだ。それでは十分じゃないぞ。
土壌の養分だけではなく、根の生育環境まで分析しないとダメだ。
土魔法が無いのだから・・・
地域で土を送ってもらえれば、土魔法で分析も簡単だよ。
土壌分析後に肥料設計書を送って改善してもらえれば、収穫も倍増するだろう。
適切なコメントを書いておけば万全だな。
それと、農業改善指導員を農協から送り込もう。
チェック項目で農業が、指導要領にそって実施されてるか見守ってもらえばいいや。
苗の育て方も別紙で送ればいい。
3倍は無理でも2倍は大丈夫だろう。
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