全てのバーチャルシンガーに賛辞を「セカイに響け!Your Song」感想

 プロセカはクリエイターが音楽ソフトを通して自分の表現をし、人々がそれを聞いていることを正面から物語にしています。オリジナルキャラクターである高校生の想いから「セカイ」が生まれ、そこにそれぞれのセカイごとに違ったミク達バーチャルシンガーがいて、共に音を紡いだり困難に向かったりと物語を展開します。

 最初プロセカに触れた際、それぞれのクリエイターごとに違った世界があり、違ったミク達がいる現実世界を見事に昇華していると感動しました。

 今回は新たな展開を前に各セカイとバーチャルシンガーに焦点を当てる総括的な話で、改めてこの点を実感しました。


 各セカイのバーチャルシンガーたちの応援もあって、高校生たちはそれぞれの音楽や舞台を作り上げてきました。今回、そんな彼らを後押しする方法として、彼らの音楽や舞台をバーチャルシンガーが演じることを選びます。


 音楽ソフトの曲を人が歌う「歌ってみた」はボカロ文化の中核ですが、プロセカは動画投稿界隈では少なかった音楽ソフト+人の歌唱を基本とした所が、この文化の多様性を広げました。オリジナルキャラクターとバーチャルシンガーが一緒に歌う「セカイver.」とバーチャルシンガーのみが歌う「バーチャル・シンガーver.」、それぞれ歌声によって印象がまた変わり、違う魅力が発見できます。

 バーチャルシンガーの曲を人が歌うことでの発見があれば、人の曲をバーチャルシンガーが歌うことでの発見もある。もはやどちらが主というのは些末な話です。バーチャルシンガーがみんなの歌を奏でる話が当然のように出てくる、16年来のボカロ好き三十路として感慨深いものがあります。


 バーチャルシンガーごとの個性も改めていいですね。セカイの想いの主たちを応援する気持ちはみんなあっても、その表現の形は全く違います。それでも全てミクであり、リンである、そして人によってどのミクに、どのリンに支えられるかは違う、ここも現実世界を上手く投影していると思います。

 セカイを紡ぐ全てのクリエイターや想いの持つ人々への感謝と敬意を持って、3周年を迎えるプロセカも、バーチャルシンガーの楽曲も今後もしっかり味わっていこうと思います。


★本感想のゲーム画像あり版はnoteで公開中:https://note.com/gakumarui/n/n8f35894d8f58

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