繋ぐための力をもらった感謝を「つなぐ、星の歌」感想

 もう一度みんなで流星群を見る、メインストーリーからの夢が一つ明確に叶いました。

 音楽が人と人を繋ぐ、そして一歌にとってみんなを繋いでくれたのはミクの音楽だった。普段はおとなしい、(ストーリー描写では)特別な技能も持っていない、ただここぞで踏み出す勇気とミクへの愛を持った少女。多くのプロセカユーザーに近いバーチャルシンガーへの想いを持った彼女が歌で大事な友達を、そして多くの人を繋ぐ姿を見て、ボカロ曲で育った30才はしみじみと感じます。15年前は何だかんだ大衆的には異物感のあった音声ソフトたち、今や音楽ソフトの歌唱という理由だけで門前払いする人は少なくなり、その歌やクリエイターたちが込めた思いが尊重されるようになりました。一つの区切りとなる感謝のライブで、ミクと共に歌い、またミクへの想いを強くする、Leo/needの物語としてだけでなくプロセカというゲームの歩み、あるいはボカロ・バーチャルシンガーの歩みの1到達点のように思いました。


 ただ、音楽があるだけで人と人が繋がるわけではありません。かつての志歩は音楽にこだわったが故に孤高となりました。だからこそ、4人でもう一度音楽が出来るようになった後もプロという自分の夢は重荷だと思っていた。そこを「重荷なんかじゃない」と真正面から同じ道を歩む覚悟を示した一歌。メインストーリーで穂波をセカイの屋上に連れて行った時も、一歌の勇気が大事な時に皆を繋げてきました。

 小さい頃からその優しさは変わりませんが、どうにかする力は持っていませんでした。でも、真っ直ぐ言葉で想いを伝えること、想いを歌に乗せること、誰かと繋がり誰かを繋げる力を今の一歌は持っています。

 その力は本人が成長で得たものですが、独力ではありません。繋がった人から色んなものを与え合いながら少しずつ得てきた力です。一歌は与えられたものにとても自覚的で、はっきりと感謝を示します。これは単に優しいというだけでなく、一歌がどんどん他者から色んなものを吸収していく要因でもあるでしょう。

 ただ、自らが多くの人を繋いでいること、多くのものを与えている自覚は今回芽生えたようです。目の前の人を想い真っ直ぐに行動してきた今までから、プロとしての誰かに想いを届けている誇りを持てるように、次のステージへ進みます。


 何度でも一緒に星を見るために、多くの人が一緒に星を見られるように、Leo/needの歩みは続きます。


★本感想のゲーム画像あり版はnoteで公開中:https://note.com/gakumarui/n/n16aac3cecc3f

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