折り合う力はつくし、分かり合える人は増える「一期一会な百鬼夜行!?」感想

 かつてはその奇想天外な発想と行動力に周りがついていけず、孤高のショー探究者となった神代類。出会った頃は全ユニットそれぞれ荒々しさがありましたが、特にワンダショはバチバチやっていた印象です。ショーの成功のためなら手段は問わないと言っていた類も、ワンダショや様々な人々との交流を通して精神的にグッと成長しました。元々人を見る観察力、それを言語化して説明する能力に長け、知識・興味の幅も広く、人々の笑顔を追求する人物ですから交流は好きなはずです。過去の経験を乗り越え、自身の奇抜さも観察力もうまく昇華できるようになった類の姿は、プロセカ内では志歩と並んで特に成長した人物だと思わせてくれます。


 そんな変化は周りにも見えるもので、「爆破のマッドサイエンティスト」たる彼と修学旅行で一緒に回りたいと言うクラスメイトが現れます。元々とても面白い人物、類も振り回す人物・振り回し方はしっかり選んでいます。そして、司達との出会いで人を寄せ付けない雰囲気が消えて、笑顔が増えた。類も周りと折り合う力をつけたし、(物語には出ませんが高校生ですし)周りの子たちも成長して他者と分かり合う力をつけているでしょう。成長に伴って、幼い時は分かり合えなかった人と交流できるようになれます。

 修学旅行はクラスの仲間と楽しく、夜は定番のトランプもがっつり楽しみます。私は中学の修学旅行でUNOをしましたが、当時英語で学習したばかりの”green house gases"を緑のカードを出すたびに皆が言っていました。カードをしながら「温室効果ガス」と言うたび笑っている傍から見ると奇妙な光景でしたが、当時は最高に楽しかった。なんなんでしょう、修学旅行。


 2日目は同じく修学旅行で京都に来ていた愛莉・雫・まふゆと遭遇し、一緒に回ることに。それぞれのらしさが出て、とにかく楽しく見れました。過去エピソードを出せば出すほど株が上がるスター天馬司。

 メインイベント百鬼夜行パレードに辿りつくも、人混みの中転んだおばあさんを助けていると、皆とはぐれてしまった類と雫。スマホも割れ、パレード中に再会は難しい。でも「一回きりの公演」である修学旅行、最後まで皆と楽しみたい。パレードに飛び入り参加し、類は雫を見事に演出して皆に気づかせることに成功しました。


 そして解散の時、類が集合写真を撮ろうと提案します。思い出を刻む、そして振り返る際に写真はとても良いです。みんなとの思い出を残しておきたい、ありふれた行動ですが類にとっては自身がそれを望んだことは大きな変化。司君のおかげで変われたと礼を言う類ですが、司が言う通り自らが変化を拒めば変わりません。

 様々な人と楽しみながらうまく関われるようになった類、今後彼がどんな驚く演出で人々に、そして仲間に笑顔を届けてくれるか楽しみです。


★本感想のゲーム画像あり版はnoteで公開中:https://note.com/gakumarui/n/n4b6ce5a10bba

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