第47話「皆に幸あれ…」

オメガ「ハァ…ハァ…」


その場にブラフマーがいない


オメガ「く!カムロみたいに逃げられたか?…ハァ…終わった…」


トン


誰かがオメガの背中を押す


オメガ「ッ?!」


そこには死んだはずの姫、サモン、ジルディオ、クレイジー、ルンさん、会長、マニョン、ザンがいた


オメガ「お前ら…へへ、そうだよな。まだ終わってないよな!」


動く要塞が崩れていく


オメガ「ルミカ!ルミカはどこだ!!」


瓦礫がどんどん崩れていく


そして横たわっていたルミカが落ちていく


ザボン


海の中へ


オメガ「ッ?!!今ルミカが落ちたような…ルミカァ!!どこだぁ?!!…く!気絶してるから返事なんてするわけないか…ルミカ」



海底


ルミカ「…」


「私は死んだの?ここは…冷たい。海の中かな?私のせいでたくさんの仲間が死んだ…私は不幸を招く女なんだ…私が死ねば、もう誰も犠牲にならない。分かっていれば最初からそうしたのになぁ。失ってから気づくなんて…遅いよね。姫ちゃん、サモン君、皆…ごめんね、私のせいで…生きてて。私がいなくなれば全てが終わる。だから…オメガ君、サヨナラだよ…」


「カァ!!…」


ルミカ「今までありがとう…」


「ルミカァ!!」


ルミカ「…」


オメガ「美神ルミカァ!!!」


ルミカ「ッ!!!」


オメガ「一緒に帰るぞ!」


海底の中だがはっきりと二人には聞こえていたのだ


互いの声が


ルミカ「どうして来たの?!私はもう嫌なの!」


オメガ「ルミカ…」


ルミカ「私のせいで誰かが犠牲になるのは…耐えられないよ!私さえいなくなれば全て平和になるの!私一人の命で全てが…みんなが不幸にならないならそれでいい!姫ちゃんもサモン君も…他の皆も私が殺した!私がいるから…」


オメガ「うるせぇ!!!」


ルミカ「え?」


オメガ「お前の本心を俺にぶつけろよ!!!」


ルミカ「本、心?…」


オメガ「そんな顔で偽善ぶつけてんじゃねぇぞ!お前は本当はどうしたいんだ?!生き続けたいんじゃねぇのか?!自分のせいで皆が不幸になる?自分が仲間たちを殺した?そんなこと言ったらあいつらに絶交されるぞ!」


ルミカ「でも…」


オメガ「でもじゃねぇ!!俺たちはお前がいないほうが不幸だ!!お前だって俺たちの仲間だろうが!!掛け替えのない仲間なんだよ!!」


ルミカ「…生きてていいの?」


オメガ「バーカ、当たり前だろ」


ルミカ「みんな不幸にならない?」


オメガ「お前がいないほうが不幸だって言っただろ?」


ルミカ「誰も死なない?」


オメガ「俺が全員守ってやる!そのために神の力も使うんだ!」


ルミカ「私は…必要な存在?」


オメガ「何度も言わせるなwお前は俺たちの掛け替えのない仲間だ!必要だし俺たちの隣を一緒に歩いてほしい!またお前を狙うやつがいるなら全力で守る!全力で救ってやる!命も人生も全部かけてな!」


ルミカ「…そっか、私…生きてていいんだ」


オメガ「帰るぞ、OYNのアジトへ」


ルミカ「うん…」


オメガ「って、アジトは崩壊しちまったんだったw」


ルミカ「作ろうよ、皆で」


オメガ「あぁ、まずはニューアジトの作成からだな」


ルミカ「うん!」



そして翌日


場変


オメガ「いててて…」


ノヴァ「大丈夫か?」


デウス「ルミカの絶対完治でも治らないということは神の力の副作用か?」


オメガ「あぁ、でもラグナロクよりかは大分マシだぜ!あの時の副作用はマジで死ぬかと思ったからな…」


ルミカ「あれは焦ったよね」


オメガ「あぁ、ところでなんでこの子がここに?俺の見舞いか?」


リリア「…」


デウス「実はなオメガ、今回の奪還にこの子だけ別条件で参加してもらってたんだ」


オメガ「別条件?なんだ?」


リリア「私をあなたのチームに入れなさい」


オメガ「いいぞ」


ノヴァ「かるっ!!俺は嫌だぞ!こいつには借りがある!」


リリア「あら、自分の無力が招いた結果なのに」


ノヴァ「ほら!うざいこいつ!!」


オメガ「まぁまぁいいじゃねぇかw相性良いと思うぞ」


ノヴァ「ふざけんな!こんな奴、今の俺なら…」


リリア「仲間同士で争うの?」


ノヴァ「く!」


オメガ「てか何でチームに入りたいんだ?」


リリア「野宿は飽きたからよ、それにどこでも良かったの。普通に歓迎してくれるチームなら。でもラグナロクであなたたちは私たちの想像を超えたわ。あなたのチームがあそこまで勝ち進むなんて誰も予想してなかったもの」


オメガ「よく言われるわぁ…」


リリア「そこに惹かれたのよ、あなたのチームに入りたいってね」


オメガ「なるほどねぇ~、いいぞ」


ノヴァ「だから軽いんだって!!w」


オメガ「うるせぇなぁいいだろぉ?」


ノヴァ「俺は反対!反対だリーダー!」


オメガ「こういうときだけリーダーって言うなw」


?「俺も混ぜてよ」


全員「ッ?!」


?「ヤッホー」


デウス「誰だ?」


ノヴァ「嫌なオーラだなお前」


オメガ「…」


?「よしてよ、戦うつもりはないよ。俺は元殺し屋のホムラ!ブラフマーのとこにいたんだけど抜けた!」


オメガ「何が目的だ?」


ホムラ「いやぁ~すごいね君!最初から最後まで見てたけどすごい強いじゃん!俺、強いやつに惹かれちゃうんだ!ってことで、俺もチームに入れてよ」


オメガ「断る」


ホムラ「あり?どして?」


オメガ「俺の仲間も言ったと思うがお前からは嫌なオーラを感じる、元とは言え殺し屋だし」


ホムラ「ほぉ?」


オメガ「お前、コロコロ気分変えるタイプだろ?浮気する奴だな」


ホムラ「ん~ここで全員死んどく?」


構えるノヴァ、デウス


オメガ「…」


ホムラ「…はぁ~、つまんないや」


去るホムラ


ノヴァ「いつの間に入ってたんだ?」


デウス「元とは言え殺し屋であることは間違いないな、足音と気配は完全に消えてた」


オメガ「それより他の皆はどうだ?」


デウス「みんな無事に帰ったよ、ナツは大分重傷だったが…あとはランギスが…」


オメガ「そうか…んじゃ葬式行ってお礼言わねぇとな」


リリア「葬式するの?」


オメガ「分かんねぇ」


リリア「意外といい加減なのねw」


ノヴァ「天然だからなw」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る