第40話「兄貴の教え」

場変


エルガ「ふ!」


ビリビリ


グリード「フン、雷使いか!」


エルガ「あんたは?」


グリード「教えるわけないだろう!『欲深い者(アヴァリティア)』だ!」


エルガ「教えてるじゃん」


グリード「馬鹿が!教えたのではない!与えたのだ!」


エルガ「情報を?」


グリード「そう!!」


エルガ「人はそれを教えるって言うんだぜw」


グリード「うるさい!」


向かうグリード


エルガ「ショック!」


かわす


グリード「ショック!」


バチ


エルガ「く!俺の!!」


後ろに引くエルガ


すぐに向かうグリード


グリード「ふん!」



蹴りをガードする


エルガ「欲深いもの、ね…あんた強欲だろ?」


グリード「それがなんだ?」


エルガ「欲しいものを自分のものにする能力か?」


グリード「能力か?じゃない!教える馬鹿はおらん!あぁその通りだ」


エルガ「良かったぜ、あんたがバカで!」


パンチをかわすグリード


グリード「誰がバカだ!」


蹴りをかわす



互いに殴り飛ばす


エルガ「あんた以外いねぇじゃん」


グリード「く!大人をなめるなよクソガキ」


エルガ「なめられても仕方ねぇよあんたは」


グリード「フン、生意気な口をつぶしてやるよ」


向かうグリード


エルガ「はい、準備完了」


グリード「ん?」


グリードの動きが止まる


グリード「ぬ?!動けん!」


エルガ「さっきのパンチであんたに誤差電気を流した。今は痺れて動けないぜ」


グリード「誤差電気!」


エルガ「そして上見てみな」


グリード「なんだあれは?!」


グリードの真上に雷雲


エルガ「ライトニング・ディ・ガルテス!」


ズドォン!!


雷雲から強雷放たれる!


エルガ「はい終わり。案外大したことないね、大罪者ってのも」


グリード「何がだ?」


エルガ「ッ!!!」


グリード「相当驚いているな。奥義だったのか得意技だったのか知らんが…同じ体質には効果が薄いんじゃないか?」


エルガ「…」


グリード「そして上を見ろ」


エルガ「まさか!!」


エルガの真上に雷雲


エルガ「この技もか…」


グリード「そう!そしてこれは強欲の雷!」


エルガ「強欲の雷?」


グリード「ライトニング・ディ・ガルテス!!」


雷雲から強雷放たれる!


エルガ「効かないって…」


ズドォン!!


グリード「フフフ」


エルガ「…ぐ!!」


膝をつくエルガ


エルガ「ハァ…どういうことだ?俺の雷は雷の体制があるやつには効かないはず!」


グリード「使ってみてわかる。お前、珍しい雷能力者だな。この雷は雷神トールの雷!」


エルガ「情報まで…」


グリード「特殊ゆえにデメリットが同じ属性には効かない、か…だが今ので分かった。強欲の雷ならば効くようだ」


エルガ「だから、強欲の雷ってなんだよ」


グリード「その名の通りだが?俺の能力『欲深いもの(アヴァリティア)』は俺が目で見てほしいと思った技を俺のものにする!そして強欲は欲深ければ欲深いほど与える力が激変する!俺はお前に何としてもダメージを与えたかった!その欲深い雷は俺に応え、お前にダメージを与えた!」


エルガ「…」


グリード「お前の雷は今、俺の強欲で別のモノへと変わった。もうお前の知る雷ではない!」


エルガ「フ、何言ってるか分かんねぇよ」


グリード「なら帰って勉強しろ」


向かうグリード


エルガ「ショック!」


グリード「ショック!」


バチ


エルガ「ぐ!」


グリード「俺には効かんぞ!」


ドドド


エルガ「ぐぁ!!」


グリード「ふん!」



蹴り飛ばされる


グリード「さぁ、もっと俺に技を見せろぉ!!」


エルガ「く!やーだね!」


向かうエルガ


エルガ「わざわざこっちが不利になることするかよ」


攻撃を繰り出すがすべてかわされる


グリード「能力が無理なら体術でか?その体術ですら俺には届かんぞ?」


エルガ「く!」


グリード「さぁ、来い!」



グリードを殴り飛ばす


エルガ「ッ!!!」


エルガの体がマヒする


エルガ「誤差電気?!」


グリード「ハハハ!もう一度喰らうがいい!ライトニング・ディ・ガルテス!!」


ズドォン!!


グリード「強大な技故、お前は耐えることはできない!」


煙が晴れる


エルガ「く…」


倒れているエルガ


グリード「いい技を持ってて嬉しいぞ!まぁ、オーラの消費量はなかなかだが…そこも強欲で何とでもなる」


エルガ「クソ…本当は使いたくなかったけど…」


グリード「ん?…ッ!!!」


一瞬にして殺気を感じ取るグリード


グリード(殺気?!!)


エルガ「…殺す」


ザシュ


肩を切られるグリード


グリード「ぬ?!!見えなかった!!」


爪が伸び、目や口を大きく見開き、相手への殺意を全開でむき出す

殺人鬼!発動!


エルガ「兄貴に教わったことなんか捨てたつもりだったけど…やっぱピンチになったらこれだけは使っちまうぜ」


グリード「それは…殺し屋の!!お前殺し屋か!!」


エルガ「いいや、死んだ兄貴が殺し屋だったんだ。こんな覚えたくもないもん覚えさせて死にやがって…クソ兄貴だったよ」


グリード「そいつの名は?」


エルガ「エルリン」


グリード「ッ!!!知ってる名だ…殺し屋№3だった男!現№3に殺されたんだっけな」


エルガ「あんたさ…さっきから余裕こいて会話してっけど…目の前にいるのは殺人鬼だぜ?」


グリード「…」


エルガ「気づいたら死んでるかもな」


グリード「ほざけ!」


向かうグリード


エルガ「…フ」


グリード「…か!!」


グリードの上半身と下半身が離れ転がり落ちる


エルガ「な?言っただろ?」


グリード「クソ…いつの間に!」


エルガ「殺人鬼に聞けよ」


グリード「く!」


エルガ「ま、教える気はなさそうだけど」


元に戻るエルガ


グリード「フフ、お前は殺し屋を壊滅させるためにここへ来たのか?」


エルガ「違うよ、兄貴を殺した奴の顔が見たかった。パラスの旦那に誘われたってのもあるけどね。あんなに強かった兄貴を殺せるなんてどんな奴なんだろうって思ったけど…探すのめんどいし、時間が経てばいつか会えんだろって諦めてる」


グリード「フ、気まぐれな奴だ…」(確か殺し屋は気まぐれだって聞いたことがある。こいつにピッタリじゃねぇか…)


エルガ「て言うか胴体真っ二つにしてもまだ生きてるんだ」


グリード「伊達に大罪者を何十年もやってるわけじゃねぇからな…だが、もう死がすぐそこにある」


エルガ「…」


去るエルガ


グリード「フ、ほっとけば死ぬからいいやって顔してたな…ほんと、気まぐれな奴、だ…」


グリード死す

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