ヴァヌス

[英雄]ベレロフォンによって救済すくわれたヒューマン存在、ただし彼女はである

しかしそのなりは『幼生体』であり、また言語ももとらない


魔族である為か肌の色は青白い(…が唇の色は薄紅色をしている)、頭部には小さいながらも角が確認されている、瞳の色は金色こんじきで瞳孔は三日月型、また尻尾も細く短く小さいながらも確認されている


なぜ[英雄]であるベレロフォンがヒューマンを救済すくわなくなったのか、その起因の一つがこの魔族の幼生体にあると言って過言ではない、ヒューマンの町に迷い込んできたヴァヌスが運悪く住人達に見つかってしまい、危く生命を落としかけた処にベレロフォンが駆け付けた…までは良かったのだが、彼が[英雄]の使命をまっとうしようと思った時に視てしまった魔族的特徴―――この事にさいなんで罪の告解を女神ヴァニティアヌスにした時に真理の一つを解かれる事になる、女神いはく[英雄]や[勇者]がなぜヒューマン救済の対象とするのか、と…その天啓に撃たれたベレロフォンは以降、救済の対象を広げた…と言うだけの話し

ただしこの事は、時が経って再びベレロフォンを視たフレニィカにしてみれば衝撃的ショックだったみたいで、憧憬こがれ慕ってはいても悪態を吐くしかなかったのである


しかしヴァヌスは単に魔族の幼生体ではなかった

その正体は『いにしえの[英雄]“シギル”』でこの次元世界せかいの創世記より外敵から守護してきた『守護の魔獣けだもの』である


その威容はヒューマンのかおを持ち、艶々つやづやとした光沢のある青の外皮装、竜を思わせる角と尾、爛々と輝く紅の瞳、その一本一本が鋭利な剣ではないかとさえ思える爪や牙…そうした見た目も美しい魔獣であるとされている


しかもこの時点で幼児おさなごの様にもとらなかった言語も流暢になり、そしてなぜかフレニィカには毒舌を吐く厳しい事を言う態度に出ている


けれど実はその事にも事情がありまして―――







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