幻想本
教室の喧騒を抜け出し渡り廊下を歩く
ゆっくりと静まりゆくその先に
図書館はある
吸い込まれるように扉を開け
中に入る
スタスタと
自分の足音だけが響き渡る
本棚に目をやると
目の高さに一冊の本がある
ふと手に重さを感じる
文庫本一冊
手にしっくりとなじむ
本を借りる
気づけば
喧騒が気にならなくなっていた
手には確かに本の重みが残っていた
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