草原

様々な色の帽子と緑色の服をまとった

たくさんの子供が空を見上げて


「おひさまはおいしいなあ」

「かぜさん、おいでよ。お話しよう」

「むしさんたち、あつまって」


など口々に好きなことを話している



つい先日までこのあたりは

茶色くしおれた老人たちの

最期の場であった


その荒原で

彼らは何を思ったのだろうか


子孫の繁栄か

誰かの役に立つことか


ただ事実としては

今や彼らは土へ還り

子供たちの栄養となった



それを知ってか知らずか

老人たちの恩恵を十分に受け

子供たちは明るくのどかに生きている



荒原から草原へ

前世代からの意思を

新世代が受け継いだ


きっと来年も、再来年も…

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