不美味(まず)しんぼ ~最低のメニューvs論外のメニュー~

けった

第1メシマズ

南北新聞社にて


けった「ヒマだなー」

後輩「いやけったさん仕事して下さいよ!コピーとかお茶くみでもいいんで。せっかく入った仕事ですよ!」

けった「ヒマだなー」

後輩「(人の話全然聞いてない・・・相変わらずクズだな・・・)」

上司「おい、けった」

けった「はい」

上司「今度、うちの創立1000周年を記念して、料理の企画をする事にした」

けった「はい」

上司「そこで究極のメニューを作ってくれないか?お前とお前の後輩で」

後輩「え?でも究極のメニューって、東西新聞社がやってませんでしたっけ?パクリじゃないですか?」

上司「なので、うちは究極にまずいメニューをやる」

後輩「まずい?」

上司「ああ、最低のメニューだ。最低のまずい料理を作ってもらう」

けった「その話、乗ります。お前もやるよな?」

後輩「え?まあ社員なんで上長の指示には従いますけど・・・」

上司「そうか、実はライバルの都帝新聞との共同企画なんだ。向こうは論外にまずいメニューを作ってくる。

最低のメニューvs論外のメニューだ!」

けった「なるほど。向こうは誰がやるんですか?」

上司「不美食倶楽部のトップ、貝原雄山だ」

後輩「え?貝原雄山って言ったらけったさんのお父さんじゃないですか!」

けった「いやいや。貝原雄山って誰?知らない」

後輩「(あ・・・そこはパロディしない感じなんだ・・・)」

けった「勝負を決める料理はなんですか?」

上司「今回のテーマは『カレーライス』だ」

後輩「(カレーでまずい・・・何かイヤな予感がビンビンするんですが・・・)」

上司「当日までに二人は準備しておくように頼む」

けった「分かりました」


こうして最低のメニューvs論外のメニューの対戦は幕を切っておとされたのだった・・・


つづく


前回までのあらすじ


運良く南北新聞社に入社できたけったと後輩。そんな二人に上司が指示した仕事は、

究極にまずいカレーライス、最低のカレーライスを作る事だった。

相手は不美食倶楽部のトップ、貝原雄山。

一体どうなる!?


~決戦当日(金曜日)~


司会「さあ、いよいよ始まりました、最低のメニューvs論外のメニュー!今回のテーマは『カレーライス』。

一体どんなカレーが出てくるのか、楽しみで仕方ありません。では、調理スタート!」

後輩「けったさん、けったさんが『全部俺に任せろ』って言ってたので、僕何もタッチしてないですけど、

大丈夫ですか?」

けった「問題ない。万全の準備をしてきた。さぁ、作るぞ!」

けった「これを切りーの、これを入れーの、コトコト煮るーの・・・」

けった「そして最後に赤いパウダーをかけーの・・・出来た!」


けった特製!激辛お腹ゴロゴロカレー!


後輩「(野菜はゴロゴロしてていいけど、お腹ゴロゴロはヤバいんじゃないか・・・?)」

司会「南北新聞社が作り終わったようです。都帝新聞社はどうでしょうか?」

貝原雄山「フン、すでに作り終わっている」

司会「両社調理完了です!それでは実食に入ります。審査員は東極億太郎さんにお願いします。」

東極「ワシはどんなゲテモノでも食べる。楽しみや」

司会「それでは先攻、南北新聞社から」

後輩「(うわぁ・・・こんな真っ赤で激辛そうなカレー、食べられるんだろうか・・・)」

けった「どうぞ」

東極「これは辛そうやな」


パクッ


東極「・・・あっまッ!」

後輩「???甘い???なんで???」

けった「このカレーはルーの代わりにチョコレート、野菜の代わりに果物、

お米の代わりにポンポン菓子を使っています。赤いのはあまおう苺のパウダーです」

東極「・・・」

後輩「(激辛だと思ったら、激甘だった・・・これは精神的にかなりくるやつだな・・・まさに最低のメニュー)」


けったの工夫により、リードなるか?次回で決着!


前回までのあらすじ


ひょんな事からどっちがまずいカレーライスを作れるかを競うことになったけったと貝原雄山。

先攻のけったが繰り出した精神を削るトリックカレーで、首尾は上々。

貝原雄山側はいったいどう出る??


司会「それでは、都帝新聞社のカレーをお願いします」

貝原雄山「こちらはこれだ」


豪華絢爛!伊勢海老カレー


後輩「(???このカレーのどこが一体まずいカレーなんだ?)」

東極「・・・」

司会「東極さん、どうされましたか?」

東極「さっきのけったさんのカレーで精神的にかなりキてましてな・・・」

後輩「(そりゃそうだよな・・・)」

けった「しまった・・・」

後輩「けったさん、どうしたんですか?」

けった「何の疑いもなく先に出したが、後出しの方が今回は有利だ・・・」

後輩「え?じゃあ先攻って言い出したのは・・・」

貝原雄山「フフフ・・・」

後輩「(貝原のやつ、司会を買収してたんだ・・・汚いぞ!)」

東極「ふぅ。だいぶ回復した」

司会「では、実食どうぞ」

東極「・・・」

司会「東極さん?」

東極「このカレーは食べられん」

司会「?どうしてですか?」

東極「ワシは重度のエビアレルギーなんや。食べたら死ぬ。故に食えん。

けったさんの料理は人間のクズだが、貝原さんは鬼や。人間のやる事ではない・・・」

司会「という事は今回の勝負は・・・」

東極「貝原さんの勝ちや。文字通り論外やった・・・」

後輩「そんな・・・」

けった「・・・」

貝原雄山「フワッハッハ!けったよ、『食べられる範囲内で』なんて考えが甘い。

殺すつもりで行かなかったお前の考えは、まさにお前が作ったカレーのように甘々だったな!」

けった「クッ・・・」

後輩「けったさん・・・」

司会「それでは今回の対決は終了です」


~帰り途~


後輩「ま、まあけったさん、今回は負けちゃいましたけど、次あるなら頑張りましょうよ。

本編の山岡さんも負けまくってるし、大丈夫ですよ!」

けった「ねみぃな・・・」

後輩「(あ、全く気にしてない・・・)」


けったは、いつか貝原雄山を超える事ができるのか?(つづく?)

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