ハヅルおじさんの四方山話
羽弦トリス
第1話新年度
いや~、新年度が始まりましたね。地下鉄のコンコースには高校生の1年生らしき学生たちがうようよいるし、電車内には社会人1年生であろう、若者があどけない顔をして、ぎこちないネクタイをしている。
学生と社会人の新人の共通点は、スニーカーは真っ白で、革靴はピカピカなのだ。
このオジサンなんか、合成樹脂の靴で磨いてもいないし、腹が出ているから、見苦しいスーツ姿になっている。
職が変わり、作業所では殆んど黒のパンツにシャツ。青いスニーカー。
今日からは、したに半袖着てパーカーで出勤だ。
よく人生の勝ち組とか負け組とか言うけれど、何を根拠に線引きしているのか?
金を沢山持っていれば勝ち組なの?
一流の企業に就職したら勝ち組なの?
オジサンはおかげさまで、作業所があるしタバコの銭にも不自由しない。
だが、ギリギリの所で生活している。足りなかったら、足りないで何とかなるし。
また、統合失調症だし、一見は負け組であろう。
でもね、そんな線引きする奴は、卑屈なんだよな。
日本でも、毎日3食ご飯を食べられない子供達がいるし、服も買えない家庭がある。
でも、人生を楽しんでいる。
オジサンは、彼ら彼女らを負け組とは思えない。
さ、新人君達よ。人生は長いようで、アッと言う間。
何が起こるか分からない。
その時に、自分自身がどう対処するかで人生が左右する。
オジサンは働き盛りに再起が難しい、病気になった。
君たちの様に、8時間働く事が難しい。
でもね、でもね、訓練してからまた社会復帰を目指してるのよ。
親と子ほど離れた君たちは、きっと僕を負け組と呼ぶだろう。
しかし、このオジサンは今、人生を謳歌しています。
勉強に仕事、新人さんよ、頑張って!
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