桜と猫と

Aki

prologue

 はじめに、私自身について紹介しておこうと思います。私は発達障害といわれる脳の障害を持っています。


そして、どうも少し変わった脳をしているようです。私は発達障害の検査で言われるところの、言語理解という能力は極端に高いのですが、処理速度が平均よりだいぶ低いのです。どういうことかと言うと、頭の回転スピードに手先がついて来られないため、そのちぐはぐ感で、私はとてつもなく不器用なドジっ娘になってしまうのです。

 

 さらに、個性的な脳の癖があります。記憶を絵画のように、視覚的に記憶するため、より鮮明に過去を思い出すのです。その時に感じていた思いも、ありありと生生しく思い出す事ができます。様々な事柄のインプットのスピードが早いため、多くの記憶を留めて置くことができるようです。しかし、その記憶は断片的で、短期記憶は失われやすいのです。10月に自分で吟味して購入したはずのチューリップの球根。植えたことは覚えていますし、購入時どれにしようか悩んだ事も覚えているのですが、翌年の春には、何色だったかはすっかり忘れています。このように、肝心と思える部分が抜けており、どうでも良いような事を細かく覚えていたりする、ちょっと変な脳なのです。


 これらの記憶は私の中に蓄積されていて、ある1つの事柄をトリガーとして、芋づる式に呼び起こされます。それらを切り離し、繋げて、改めて眺める事で、また新たな発見があったりします。


 こんな風に書いていると、何だか自分が妖怪人間のように思えて来るのですが、至って普通の人間です。周囲の人にとっては「人当たりは良いが、少々風変わりな面白いおばちゃん」という認識だろうと思います。


 本書は「少し変った脳を持った極普通の人間の経験と考えた事」が記されている本だと思っていただければ、幸いです。そして、これから書くことは、飽くまでも私の経験から見えてきた「私の現時点での考え」だと言うことを、ぜひ念頭に置いて読み進めていただきたいのです。私自身、まだ旅の途中ですし、子育てにおいては、始めたばかりです。今後、考えが変わること、パラダイムシフトが起る事も大いにあり得ます。

 

 流れる水のように、流々として曇りなく柔らかに流れて行きたい。そんな自分でありたいと願っております。


 時代の変遷、変化する環境の中で、流れに身を任せつつ。自分を見失わないように気をつけながら、ぜひ、今この時を、共にどうにか生き抜いて行きませんか?


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