その5 ゲームセンターでアルバイト(2)
なんにしてもゲーマー同士の交流が多々あったという点では、ありがたい環境だった。当時は多かったと思うが各ゲーセンに情報交換用ノートというのがあり、ゲームの感想やお店への要望、対戦求む!みたいなお誘いも書き込めた。そのノートでワタシは店員とゲーマーの両方で書き込みをしていた。その時に名前がなくて困った。
次にゲーセンで働くという視点で今だから言える事、思う事がある。家族経営の会社が母体なので、非常に視野が狭く、家族間の意見が違って社員やバイトが困る場面が多すぎた。なので、社員が次の日から来なくなるという現象がすごくあった。社員を育てるというのが怒鳴り散らせばいい、とか距離が離れた各店舗をろくに休日取らせずに、あちこち勤務地を日々変えさせ、そりゃイヤになるでしょってもんだよ。
社員やバイトは、基本的にゲーム環境が好きだった。でも、経営側の態度では、それが感じられなかった。経営に回るとそうなるのかな?
一度酷かった例を書けば、「社員・バイトが店内をウロウロするんじゃない所定の位置から動くな」と1時間近く怒鳴り散らされたことがあった。とても理不尽な言い方されて、それに従った。それから2~3日後に店員が巡回しないので、死角になっていた景品ゲーム機のコインボックスが盗難にあった。もちろん警察に被害届を出したが、営業時間に堂々と犯行に及ばれた原因は経営者家族の指示によるものなので、会社内でそれなりの処分を受けたそうな。というかね、各店舗で現場って違うので一方的に会社命令をされてもそんな動きが出来ないんだよ。ゲーセンっと言っても接客もあるサービス業だから、お客さんに呼ばれて説明したり、じっと動かないなんて無理。お客さんは動いているんだから、店員も見て回らないとね。
そういうので、別の大きな出来事があった。これは、ニュースでも取り上げられ当時は非常に厄介だった話。両替機に韓国の500ウォン硬貨が大量に入っていた。500ウォン硬貨は日本500円玉と同じ直径と厚みで、重さが違うから何か所も削って重さを同じ重さにする。それが当時の両替機だと、誤認して両替可能だった。現在だとそんなことは対策済みだろうけど、50円の価値の外国硬貨で500円分を両替できるのなら、考える人たちがいたわけ。こういうのはゲーセンだけでなく、両替機や何かの販売機を業種だと出くわす事柄だと思う。そう、利用者って日本人だけじゃない。今だと、全世界が相手だと思っていい話。いろんな詐欺トラブルも表に出ないだけで、たくさんあるだろう。純粋にゲームを楽しみたいだけで、ゲーセンに来る人だけではない。
ちょっと思い出した話。昔からあったよね、お金使わない裏技みたいなの。硬貨投入口や返却口でアレコレすると、硬貨戻るけど、硬貨投入したように誤作動させるって。こういうのの対策も必要になるからゲーセンの衰退に繋がる。メーカー側と店側と両方対策をしなければいけない。ただ、楽しんでほしいという環境整備から離れていくし、「お客さんに来てほしいけど、警戒しなければならない」という二律背反ともいえる状況が出来てしまっている。
youtubeでクレーンゲームの技が公開されてるけど、[お客は景品が欲しい・お店はお金を使って欲しい]このぶつかり合いでトラブル動画にして再生数を稼いでいるよね。これも、店が衰退するはず。ただ、双方が潰しあってるように思う。たまに、クレーンゲームやるけど、まず取れない。技術うんぬんではなく設定で。そりゃ、お客はなれるし、攻略を考えられて当然。それが、時代なんですかね。
こういう利益と攻略とぶつかり合いが生まれる中、バイト当時に新ジャンルが登場した。「これにお金使ってくれますか?」と店員誰しも思った。でも、いまだに進化している機種。「プリント倶楽部」が配置されました。はい、プリクラですよ。当時、被り物を用意して、少なからず入ってくれた女子高生に案内して断られ、結局、バイトが試し撮りをたくさんして。その頃のバイトの先輩が彼女さんと写ったプリクラは、今でも持ってたりします。何でも初期ってインパクトはあるので、貼り付けてたんだよ。
で、テレビでプリクラ撮影を有名人がしたことで、爆発的に利用者増。印刷用紙が入荷できなくて[用紙切れ]の使用中止状態。ブームって突然来るので、どこから流行りだすか分からないし、いきなり終わるので社会現象って恐ろしい。
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