その三七 収穫期がはじまった!
イチジク、メロン、ブドウ……。
我が家の果物王国、今期の収穫がはじまった!
まずはイチジク。
イチジクというものはいきなり色づくものなのだと言うことを、いまさらながらに認識した。
朝、起きてベランダに出る。
様子をうかがう。すると――。
どうだろう。昨日まで緑一色だったはずの実がすっかり紫色に染まっている。
さわってみるとポニョポニョと柔らかい。その感触だけでもうおいしそう。そして、実際に食べてみると、とろっとした柔らかな食感と蕩けるような甘さとが口のなかいっぱいに広がる……。
やはり、もぎたての果実はいい。
そして、メロン。
一緒に植えたスイカは根っ子食いのせいで駄目になってしまったが(かわりに植えたキュウリがちゃんと育っているのでまあ、よしとする)、メロンの方はしっかりと実をつけてくれた。まあ、メロンと言ってもミニメロンだからソフトボール程度の大きさなのだが。
それでも、メロンはメロン。今月半ばぐらいには食べ頃になるだろう。楽しみである。
そして、ブドウ。
今年はブドウがよく出来ている。近所にお裾分けする余裕もあるぐらいだ。
しかし、見た目はなかなかきれいにならない。ブドウは粒ごとに色づく時期がちがうので一房のなかに赤紫色になった粒と緑色のままの粒とが混じっている。先に色づいた粒がいい感じになったときに収穫するとまだ緑の粒が残っているし、すべての粒が色づくまでまつと先に色づいた粒が熟しすぎになりそうで怖いし……。
結局、まだ緑の粒が残っているところで収穫してしまう。
色づきが一致せずにまだら模様になっているので見た目は悪い。それに、皮にもけっこう傷がついている。
こうしてみると、プロ農家はやはり、すごい。一房全部を同じ感じに色づかせ、粒も傷つけない。見事にきれいな状態に仕上げるのだから。
まあ、うちはあくまで趣味のベランダ菜園。別に見た目はかまわない。味さえ良ければそれでいいのだ。すっかり熟した赤紫色の粒も、まだまだ緑の粒も、それぞれに味わいがあっていい感じ。すべて、おいしくいただける。
我が家の果物王国、絶好調である。
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