第31話 エピソード⑪
アリサは自分の直上に〜
大きな気配だけが音も無く、高く高く
真っ直ぐ飛び上がるのを肌で感じた
別方向、多分二方向から
高速の風の塊が僅かな時間差
同一の場所にドドッと押し寄せるのを察する
アリサはバレーボールの試合で学生時代、ローテーションで後方に移動した際
〜相手を翻弄する攻撃に加わった
よくこうした攻撃手段をした事を思い出す
『ーーーバックアタック?』
前衛は見せかけのフェイント
でももう一人、力のある後衛こそが『本命』
油断した隙を突き、敵陣に狙い澄ましてスパイクし、鋭いトドメを刺す……!」
注意としては、アタッカーはジャンプの際にアタックラインを踏めば反則だから注意が必要
〜あと当然、何度も使用出来ない
敵陣に読まれてしまうから
ーーー『切り札』的なテクニックだ
それ以外さえ気をつければ、チームワーク、訓練次第で案外上手く行く技
キィイインッッ
ーーーーー激しい金属音
何かの堅い金属が本気でぶつかり合う、聞き慣れない衝撃音がうんと上から降り注ぐ
フッと圧倒的な気配が二つに割れる
「なァんだぁ〜
やっぱり来ちゃったんだ、この裏切り者君!」
さっき耳の直ぐ側で聞いたばかりの愉しげな声
嗤いを含む、イヤにすっきりした美声が再度コロコロと闇の中に蕩ける
それについての返事は無い
再び耳障りな金属音が鳴り響く
ドンドンドンドンドン
聞き覚えのあるリズムの高速連射が空を切る
対ヴァンパイア仕様のメッチャ重量のある肩掛け式特殊銃
あの扱いが難しい大型銃を〜
こんないとも簡単に続けざま、軽々連射出来るのはミオ教官しか絶対にいない!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます