最終章 決闘祭?

第15話 悪役と波乱?の決闘祭(めんどい)

 決闘祭。それははっきりいって面倒くさいだけのイベント(主観です)なのだが、沢山の客やレイのような奴からしたら、最高のイベントなのだ。


 もう一度言おう。このイベントはとても面倒くさい。考えてみてくれ。まず俺は強制出場がある。そして序列が1位なので色々と役割がある。あとはアオイとのペア戦だ。


 そこまではいい。だがレイ、奴がいる。


 あいつわざわざ俺に勝つとか言いに来たし王女ちゃんとイーナが後ろで応援してるし他者の異能を使う特訓をしてるし校内新聞で話題になったしほんっっっっっっっっっっっっっっっと面倒くさい。


 アオイとのペアをやるのは別に問題ないんだよ。決闘部門で他のペアをぶっ飛ばすだけだし。


 でもレイはさぁ、話題になるくらい注目されてるんだよなぁ。


 平民で序列をぐんぐんと上げている注目の的だし俺に何度も負けてるからリベンジだとかなんだとか。


 という事を思っている決闘祭前日の今日。メグはそもそも興味ゼロって感じだしアオイも義手の改造をしてるらしいし。


 つまり俺は学園でぼっち生活をしている。

 

 フェニスに頼まれ事をされたりはしたけど速攻で終わらせたので暇だ。そう、暇&ぼっちという悲しい状態だ。


「リエリス!!決闘で優勝したら、話したいことがあるんだ」


「話したいこと?」


「そうだ。僕にその資格があるのかを決闘祭で見極める!!」


 あーっと、これは優勝したらレイが王女ちゃんに告白するって感じなのかな?


 あ、いいことおもいついちゃったぁ♡



「第134回大決闘祭、開幕です!!」


 ということではっじまーりまーす。レイとの決勝戦まではカットで。え?アオイとのペア戦だせ?そっこーで優勝して終わりましたが何か?


 てなわけでレイとの勝負、決勝戦だ。


「よぉレイ。強くなったらしいじゃねぇか」


「橋雨、僕は君に勝利する!!」


 レイの気合も充分。そんじゃやりますか。


「決勝戦!!レイ-一条VS霧江橋雨、両者位置に!!始め!!」


 始まった。レイは複数の能力を展開する。炎、氷の刀、そして足の光。対する俺は特に何もしない。


「いくぞ橋雨っ」


「こいこいこいこい!!」


 レイは炎を撃ち、刀を持ち、光よりも速くこちらに迫ってくるが、まず炎は念力でとめられる。


 そして刀で斬りかかるが念力で止められ、俺は腹パンカウンターをする。


「ゲホッ」


 レイは1度距離をとる。いい判断だ。そして刀を投げてくるが、勿論念力で防ぐ。


「橋雨!!僕は君よりも弱い。でも僕は決して諦めない!!」


「あ、そうですか」


 念力衝撃波を撃ってみるが、レイ自身の能力で打ち消される。残念。


「あれ?消えた?」


 が、直感で右によける。


「なっ!?」


 やはり後ろに周っていたか。あぶねぇーーーー。


「でもっ!!」


 パンッと音がする。レイが異能を奪おうとしたので、俺が吸収で弾き返したのだ。


「霧江、お前の念力は吸収の能力とは一緒には使えない。それでも君は強い。だから考えた。君に勝てる方法を!!」


 その瞬間、レイの周りが歪む。


「能力を重複発動しているのか?道理で歪みが出来るわけだ」


 レイは複数の能力を同時に発動し、それを重ねているようだ。つまり空間が歪む。俺の吸収でも打ち消すには時間がかかる。念力も歪んで当たらない。つまり――――。


「ゲホッゲホッ。痛えな」


 こうなる。能力が発動できず、地面に打ち付けられ、そのまま動けなくなる。


「こんなもんか。審判、俺の負けだよ。これ以上やると観客が危ない」


「わかりました。勝者!!レイ-一条」


「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」」 


 ふう。これで上手くレイが自然に勝てたな。俺に出来ることはやった。あとはお前次第だぜ、レイ。


「って気絶してるんかい!!」


 レイは全力を出し尽くしたらしく倒れていた。こいつは回復させとくか。よし、帰ってゲームしよ。


「待って!!」


「イーナじゃん。どうかした?」


 イーナがいた。レイんとこ行ってやれよ。


「あんた、?」


「なんでわかんの!?あ、ヤベッ」


「はぁそんなことだと思ったわ。レイにわざと勝たせてリエとくっつけようとしてたんでしょ。本人とリエは気づいてないみたいだけど私は気づくわよ」


「はぁ。レイと王女ちゃんには言うなよ?偶然2人の会話を聞いちまったんだよ。てかレイんとこ行かねぇと王女ちゃんに取られちまうぞ?」


「言われなくてもそのつもりよ。あんたにこういうこと言うのはアレだけど、ありがとね」


「おう」


 イーナはレイの所に走って向かう。この時、どこかの川岸にいた霧に包まれた1人の男が、満足そうに笑いながら、奥の闇に消えていった。


「さっさとアオイと合流して家行こーっと。今日はどのゲームでボコろうかなぁ?」


 そのとき、俺の周りが歪んだ。アオイの能力のように。


「なんだこれ?アオイ、イタズラはメグにしろ。ってどこだここ」


 セリフを言い終わる前に、俺は王城の前に飛ばされた。でもどこか様子がおかしい。


「なぁそこのあんた。何かあったのか?」


「おう坊主、異能学園の生徒か。なんでも霧江橋雨ってのが王城に立て籠もってるらしいぜ」


「はぁ?」


 どうなってんのこれ。


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