第14話 悪役のでーと?(元陰キャ童貞ですが何か?)
デート当日になった。服はメグコーディネートだ。待ち合わせ場所で数分待つとイーナがやって来た。
「あら、早かったのね」
「別にそこまで待ってないから気にするな」
「そう、ならいいわ。じゃぁ付いてきて」
俺とイーナは、彼女が予約していたレストランに向かった。個室で2人きりで会話するには丁度いいらしい。
「いきなりデートに誘うなんてどうかしたのか?俺の事を毛嫌いしていると思っていたのに」
「わかってるくせに。ここには2人きりだから隠さないでいいのよ?」
「な、なんのことかな?」
どれのことを言っているんだ?霧江恭吾の件か?それともメグの正体か?どれのことだ?
「心当たりが有り過ぎてどれかわかんないんだけど」
「はぁ。あんたねぇ。私が言ってるのはあんたの変化についてよ。あんたの言ってた能力云々って嘘でしょ?」
「そそそそそんなわけななななないぞ?」
「動揺しまくってんじゃん」
だって気付かれるなんて思わないじゃん。レイとかアオイはそれで上手くいったのに。
「あんたの婚約者を10年はやってるからそんぐらいは分かんのよ」
「マジか」
「それで?話してくれないの?」
「別にあれは全部間違いってわけじゃないよ。しょうがないし教えとくか。あ、でも秘密で頼むぜ?」
「そんぐらいは平気よ」
「そんじゃ話しますか」
〜お話中〜
「どう?これで納得した?」
「ええ。信じたくはないけれどそれが正解じゃないのなら私には分からないわよ。というか霧江家当主ってあんたが殺したんじゃないの?」
「確かに殺そうとはしたけど俺も同じ暗殺者に襲われてるからな。この足がそうだよ」
「へー。てっきり毒盛ったのかと。でもあんたは当主になってないし殺したのは違う人だったのね」
「てか注目すべきは俺の転生についてだろ」
あんま関係ないけど霧江恭吾関連は霧江家の敵対派閥による襲撃ということで片付けられた。俺は怪我してたし疑われなかった。走れなくはなったけどね。
「あんたが前世の記憶を手に入れて性格が前世のを足して÷2したかんじになったんだっけ?」
「自分で聞いたんだろーが。てかデートってのはレストランで料理突きながら話すことなのか?」
「それはあんたがデートって言えばやって来そうだったから」
「否定できねぇぜ」
だって単純なんだもん。
「それで話て欲しいのはそれだけなのか?そっちが終わりなら俺もちょっと話をしたいんだが」
「何かしら?」
「レイのこと好きでしょ」
「な、なんで」
やはりか。俺は気付いていたんだよなぁ。王女ちゃんもそうなんだけどレイ鈍感通り過ぎてもう難聴でしょ。
「よかったら婚約破棄でもしようか?そうすればレイに近づけると思うし、どうかな?」
「あんた、それでいいの?」
「別に婚約者とか最近まで気にする暇なかったし」
「腹立つわねそれ」
「それで?どうする?俺的には将来の目標的にもどっちでもいいから」
はぁ。これでイーナはレイに近づけるだろう。王女ちゃんとも仲違いはいいっぽいし。
「ほんとに、変わったのね」
「何様じゃこんにゃろう」
「でも、本当にいいの?私達結構長い付き合いだけど」
「熟年夫婦じゃねぇんだから。それに嫌いな人と一生一緒とか嫌じゃない?俺なら速攻で別れるけど」
「確かに。でも、今のあんたはそこまで嫌いじゃないよ」
なんか会話というか話しが終わりそうな雰囲気があるがそうじゃない。まだ会話は続く。
「そういえばだけど決闘祭出るの?」
「出るよ。上位50位以上は絶対出場だから。あーめんどくさ」
「そっか。こんなんでも序列1位だもんね。まぁでも――――」
「何?」
「レイが勝つから」
その目は自身に満ち溢れていた。でも俺クソゲーのチートボスぐらい強くなったからなぁ。あ、会計お願いしまーす。
「このあとも暇?」
「暇」
「じゃぁ買い物行かない?」
「女の買い物は長いっていうからなぁ。でもいっか、付いてってやるよ」
「ありがと。ほら行くよ!!」
「待て待て走るな〜」
イーナとの関係が改善され、破滅フラグが1つ無くなった気がする。イーナとの婚約関係は無かったことになり、イーナはレイに近づき始める。そして肝心の俺は、特に何も無かった。
◇
「という感じでした」
今メグに結果の報告をしている。どこか呆れたような表情をしている。特に問題を起こさずイーナとレイ《ハーレム野郎》をくっつけることもできるし俺は婚約者とかいうフラグの塊から開放されるし最高の結果だと思ったのに。
「はぁ。期待した私が馬鹿でした。あなたは霧江橋雨ですからね」
「それってどういう意味かな?」
うーん。なんでだろうな。
――――――――――――――――――――――――
言い忘れましたが恭吾が支払いを忘れた理由は忙しかったからです。仕事かどうかは不明です。
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