第4話 悪役の午後(放課後もあるよ)

 待ちに待ったお昼の時間。俺は校内にあるレストランに向かった。レストランに入ると騒がしかったのが一気に静かになる。なんかごめんね。


 空いてるのがテーブル席しかなかったのでテーブル席に座る。1人でテーブル席に座るのなんか虚しいよね。うどんを買って食べていたら金髪ピアス達に絡まれた。


「おいおい1人でお食事中かなぁ?俺達が席使ってやるからうどん持って失せな!」


チラッ


「あ、兄貴!こいつ恐怖の大王ですぜ!」


「な、まさか霧江橋雨か!?やべぇぞ俺達。殺される!」


チラッ


「ヒイッ焼きそばパンとコーヒー牛乳あるだけ買ってきます!行くぞオメェ等!」


「ま、待って下さいよ兄貴ッ」


 いやいやおかしいだろ。なんで急に焼きそばパン買い行った?それにコーヒー牛乳とか俺は番長かよ。


「あらあら恐怖の大王様は相変わらずお怖いことですね?相席宜しいですか?」


「どうぞどうぞ」


「ありがとうございます」


 3人組の女性が相席してきた。最初に話し掛けてきたのが金髪碧眼さんであとの2人はこれといった特徴がないのでツインテールとポニテとでも言っておこう。にしてもあの金髪の声と見た目は何処かで見聞きしたような? 


「「貴方今失礼な事を考えていらっしゃいませんか?」」


「いえいえ気のせいですよ〜ははは」


 勘がいいなこの2人。んでこいつまじで誰だっけ?


「それで、何か用がお有りで?」


「あ、自己紹介がまだでしたね。わたくしはフェニス-クロンティアと申します」


 クロンティアってたしか去年の決闘祭でチーム総合一位のとこのリーダーがそうだっけ?そんな人が何のようだろう。勧誘なら断ろ。


「そんで何を言いに来たのかな?勧誘なら断るけど」


「いえいえ勧誘なんて下らないものではありません。今回の用件はただ一つ。貴方、六角アオイと組み始めたのですか?」


 なるほど。つまりこいつらの目的はチーム戦に俺&六角ペアが出たら嫌ってことと、六角を勧誘してたから俺が六角と組むと邪魔だと言いたいんだな?別に組んではないからちゃんと説明すれば大丈夫か――――


「そのとおり!!私は橋雨と組んだ!!だから君達の勧誘は断らせてもらう!!」


「はぁ!?六角お前勝手な事言うなよ!!折角適当にあしらってうどんが伸びないうちに食べようと思ってたのに」


「えっと、あーそうだ私このあと予定が。サラバ」


 六角は自身の能力で逃げやがった。ざけんな。


「霧江さん!!焼きそばパンとコーヒー牛乳買ってきました。これで失礼いたします」


 金髪ピアス達が大量の焼きそばパンとコーヒー牛乳を置いていった。タイミングがとても悪い。てかクロンティアをどうすればいいの俺!?めっちゃ睨んでくるんだけど。


「えっと、取り敢えず焼きそばパンでも食べます?」


 こ の あ と め ちゃ く ちゃ せ つ め い し た  。



「はぁ今日は何か疲れた」


「では今日はお風呂に温泉の素を入れましょうか」


 メグさんの迎えが来て俺は家に帰った。さっさと風呂入って飯食って寝たい。疲れた。


「橋雨様。お風呂にお入りになられる前に少しよろしいですか?」


「はい」


「今、橋雨様の中に居るのは誰ですか?そうゆう類の能力ではないでしょうし」


「えっと、実は新しい人格が―」


「私に嘘は通用しませんよ?」


 くっそどう説明しよう。でも彼女はいつも側にいる存在だし、ちゃんと説明はしたほうがいいのかもな。


「実は――――」


 俺は事情を説明した。納得はしてくれたようだったからよかった。でも何で精神乗っ取り系の異能じゃないってわかったんだ?聞いてみた。


「それはですね、橋雨様は歩き方、話し方、食べ方、その他が変わりましたが私への接し方や癖は変わっていませんので」


「な、なるほど。てか俺の態度は結構変わったと思うけど?」


「いえ、朝の件もそうですが唐突に何かをしろというところは変わっていませんので」


「何か、すいません」


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