いかにも悪役な男に転生しました。〜主人公っぽいのが面倒くさい〜
中津田行桂
第一章 転生しちゃったぜoh,yeah
第1話 悪役と転生(こいつアレじゃね?)
「え、だれこのイケメン」
目が覚めたら全然知らない人だったなんてことある人いる?いないよね。
「痛ったぁい」
凄い頭痛がした。思い出した。俺はトラックに轢かれたんだった。てことはあれは転生トラックで俺はこの男に転生したのか?いや、元から転生していて前世の記憶を思い出しただけか。
記憶は完全に思い出した訳ではなく、まだ断片的だが、破滅フラグがバッッッッッッキバキに立っているが気にしないでおこう。うんそうしよう。
てゆうかこれは夢じゃないのか?目が覚めたら病院のベットの上でしたとかあるんじゃない?
ほっぺたを抓ってみる。痛い。ということはこれは夢ではなく現実だ。前世の記憶を思い出したばかりだからだろうか。なんというか、この世界での記憶と前世の記憶が混ざっていく感覚がある。なんとも奇妙な感覚だ。
「ご主人様、朝食の準備が完了致しました」
「え?」
「リビングでお待ちしております」
ご主人様って?あ、俺のことか。そういえば俺はこの国の公爵家の息子だったな。てことはこの声は先月派遣されたばかりの専属使用人(他の使用人は辞めた)のメグさんか。
朝食はなんか豪華だった。朝からこれは胃が死ぬて。
「あのーメグさん?」
「はい、何でしょうか」
「朝からこれ食べるの?」
「ご主人様がこの様にせよ、と仰っておりましたので」
「次からは朝晩関係なくもっとこう質素な感じにしてほしいな」
「わかりました」
「よろしく頼むよ」
なんかお礼を言ったら少し驚かれた。そんなに変かな?これらの行動は前世の俺の性格に引っ張られているせいか。
朝飯を食べ終わってメグさんに車を出してもらう。送り迎えあるとかこいつずる過ぎだろ!!あ、ちなみに俺の名前は
学校につく。西洋風の無駄にでかい近代ホグワーツ的な建物で校舎の他に決闘場とかもある。さすがは国営異能力学園だな。
俺が車から降りると車の家紋を見た生徒達がヒソヒソ話を始める。『奴が今日も来た』とか『挑戦者を半殺しにした』とか。今までの俺どんだけやらかしていたのかがよく分かる。
教室に入ると何故か皆避けていく。悲しい。
「うわっ今日も来たよ」
「しっ黙ってな。痛い目見るよ」
「あいつちょっとばかり家が良くて強いからって調子乗りやがって」
中々に酷い反応だ。周りのクラスメイトの反応を観察していると女で囲まれた男がクラスに入って来た。なんだろう、ハーレム系主人公味を感じる。
そういえば彼、レイ−カシウス−一条はこいつ、橋雨と似たような異能力使いなんだっけか。レイが他者の異能の使用で橋雨こと俺が異能の吸収だ。
能力の効果は文字道理で相手の異能に触れると異能の効果を吸収し、自身が使えるようになる。吸収の際に相手の異能は打ち消される。これが俺の異能だ。
レイ能力は他者の異能を借りることができる。俺との違いは他者の能力を使用する時、相手の力量で発動するか、自分の力量で発動するかだ。おっと喋り過ぎた。
こっちを見てきた。すんごい周りの女び睨まれた。てか周りの女の中に王女とか婚約者とか混じってんじゃん。ウケる。
授業が始まる。眠くなってきた。あ、意識が―。
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―――
「授業中に居眠りとはいい御身分ですね、霧江橋雨さん?」
「っふぁ?」
何者かに起こされた。どうやら俺は授業中に居眠りをかましてしまったようだ。でも誰が俺を起こしたんだ?そう思って顔を上げてみると―。
「王女じゃん」
なんと、顔を上げた先にいたのはこっちを睨みながら腕を組んでいるこの国の第3王女の―。
「誰だっけ?」
「はぁ?」
声に出ていた。これ不敬罪とかで罰されない?あ、この国不敬罪撤廃してるんだった。
「いや、その、第3王女までは思い出したんですけど、名前までは思い出せなくてですね」
「貴方は記憶喪失にでもなったのですか?」
「そうじゃなくて、えっと、名前を伺っても宜しいですか?」
「一体さっきから何の真似事ですか?貴方らしくもない」
「おっと、次の授業がそろそろ始まるなぁ遅れるとまずいな。それじゃ、お先〜」
「ちょっと待ちなさい!」
危ない。あれ以上質問されたら色々と喋ってしまいそうだった。セーフ。次の授業は異能力の実技か。俺なら楽勝だな。
◇
なんて思っていた時期がありました。異能が使えない訳ではなく、先程紹介したハーレム系主人公君グループに絡まれてしまいました。VTRをどうぞ。
「霧江橋雨!僕と決闘だ!」
「え、嫌ですけど」
「あ、あの霧江が決闘を断った?」
「信じらんねぇ」
「霧江橋雨さん。決闘は挑まれたら順位が上の場合は受けなければいけないのですよ」
なんだとう!教師貴様ッ。と、言いたいが仕方が無い。いいだろう。決闘とやら、受けてやろうじゃねぇか。
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