第179話 忘年会
12月20日〜12月25日
賊の正体は結局わからなかった。ダン曰く自害した事から専門家の仕事だろうって。そういう荒事をする組織があるそうだ。そしてそういう組織に仕事を頼めるのは相当な権力者みたい。
まぁ犯罪組織なら
またダンをグラコート伯爵家で直接雇用することになった。ダンにこの話を持っていったら狂喜乱舞したよ。
なんでもダンは竿と玉を本当に切り落とすか悩んでいたみたい。
仕事の引き継ぎがあるから来月の頭からグラコート伯爵家の家臣になる予定だ。
オリビアについては粛々と進んでいる。しかしバラス公爵家がオリビアを離籍していないみたいだ。
このまま離籍しなければバラス公爵家の傷になる。どうするつもりなんだろ?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
12月26日【緑の日】
今日の夜は男だけの忘年会だ。
今年もあと5日。あまり働き過ぎるのも良くないので今日を仕事納めにしたよ。
今年最後のスミレとの修練のダンジョン。つい気合いが入る。しっかりとビキニアーマーの呪いにかかってしまった。
午後は挨拶周りだ。
エクス城にいるアリス皇女殿下、ベルク宰相、魔導団本部にいるサイファ魔導団長に挨拶しておいた。
これで今年の仕事は終了だ。あとは男で忘年会だ!
スミレは屋敷に俺の妹のエルを呼んで食事をするみたい。まぁ楽しくやってくれ。俺も楽しんでくる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「それでは今年はお疲れ様でした! 来年もよろしく! 乾杯!」
一番の年長者のエロエロさんの乾杯の挨拶で幕を開けた忘年会。
場所は個室が完備されている【
カタスさんが高級店だったため少し気後れしていた。
酔っ払ってくると段々と会話の内容がお
今の話題は浮気の線引きについてだ。
カタスさんとライバーさんが熱く議論している。
「それはやはり女性と2人だけで食事とかに行ったら浮気じゃないですか?」
「何言ってんだ、カタス。そんなの仕事関係で食事ぐらい行くだろ? そんなの浮気のわけがないぞ」
「私はエルに誠実でありたいと思っているんです。ライバーさんとは違いますから」
「何言ってるんだ。俺ほど奥さんに誠実な男はいないぞ。俺は誠実が服を着て歩いているようなもんだ。誠実と書いてライバーって読むんだぞ。誠実と言えばライバー、ライバーと言えば誠実! これが帝都の常識だ」
ライバーさんの言葉にダンが冷めた口調で返す。
「ライバーさん、不が抜けていますよ。不誠実と書いてライバーですね。官僚試験に出ますから良く覚えています」
「出るわけないだろ、そんな問題。じゃダンはどこから浮気なんだよ」
「肉体関係を結んだところからですね。ただ男爵以上の貴族にはこれは当たらないです。子爵と男爵は正室のほかに1人の側室が認められていますから。既に正室と側室が1人ずついる場合は浮気に該当ですね」
「そんな法律の事なんか知った事か。大事なのは心だよ。いいか、浮気は浮気と思った時から浮気だ。浮気じゃないと思ったら、どこまでも浮気じゃないさ。奥さんに後ろめたい気持ちを持つ行為が浮気だよ」
何かそれっぽい事言ってるなぁ。でもそんなもんかも。俺はどうなんだろ? やっぱり女性と隠れて2人で会うのは後ろめたいな。
「ジョージ、それで
うーん。やっぱり……。
「そうですね。おさわりの無いお店が良いです。それなら後ろめたくないですから」
「そっか。まずは夜の街の遊びを覚えるのが良いな。任せておけ。年明けに遊びに行くぞ!」
今から楽しみだなぁ。
結局、【
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます