第141話 誕生日

11月8日〜11月25日

 エクス帝国と新たな契約を結び直す。

 修練のダンジョンの4階へ騎士団と魔導団を連れて行く場合には、ドラゴンの魔石は全てこちらのものとした。その代わり1人当たりの引率料金は200万バルトで据え置きだ。


 午前中にスミレとのドラゴン討伐で魔石を9個得る事ができる。午後は1人当たり2つのドラゴンの魔石で、3人引率のため6個。ドラゴンの魔石だけで1日15個で3,000万バルト。引率料金で600万バルトだ。合わせて1日で3,600万バルトになる。

 もう使いきれないよ。新しい屋敷でも買おうかな。


 カタスさんやエルとも修練のダンジョンの地下4階でドラゴン討伐をした。

 二人共、ドラゴンの迫力に言葉を無くしていた。それが普通の反応なんだろうな。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


11月26日【緑の日】

 今日は俺の誕生日で21歳になる。

 スミレの誕生日は来月の12月1日。5日間だけスミレと同じ歳になれるね。

 これから毎年、俺の誕生日からスミレの誕生日までは休みを取る事にした。

 今日はスミレと二人でデートだ。お金を使うのを目的に帝都でショッピングに出かける。


「スミレ、何を買うの? 必要なものってある?」


「そうね。すぐに必要なものは無いけど、パーティ用の服を増やさない? ジョージはパーティを開催したいんでしょ?」


 パーティ用の服かぁ。確かに必要だな。全然頭に無かったわ。危ない、危ない。

 持つべきものは気の利く嫁である。


 あれ? 何か以前も似たような事を考えた思い出があるな。(予定)が無くなったけど。


 今のところパーティに着れる服は以前にスミレに買ってもらった式典用の服くらいだもんな。


「よし! それなら以前スミレとスーツを買ったお店に行こう! スミレのドレスも一緒に買おうね」


 スミレさんが以前連れて行ってくれた洋服屋に向かう。相変わらず店構えからしてオシャレだ。


「いらっしゃいませ」


 お店に入ると以前と同じ年配のスラっとした紳士が応対してくれる。

 前に来た時はお店の雰囲気に緊張した俺だったが、マナー講義のおかげで内面を隠す事を覚えた。外から見たら堂々としていると思う。


「これはこれは、今をときめくドラゴン伯爵様じゃないですか。ご来店いただき光栄です」


 ドラゴン伯爵!? なんじゃそれ?


「あの、ドラゴン伯爵ってなんですか?」


「あ、これは失礼致しました。現在、ジョージ・グラコート伯爵様は帝都では敬意を込めて、ドラゴン伯爵と呼ばれております」


 そんな異名がついてるんだ。これは嬉しい事なのか、それとも恥ずかしい事なのだろうか?

 市井の人が勝手につけた異名だ。そんな事を考えてもしょうがないか。


 店員の紳士は俺とスミレを別室に案内する。お得意様だけが使える部屋のようだ。

 ソファに座るなりスミレが用件を伝える。


「今日は2人でお揃いパーティ用の服を買いに来たんだ。いつものように数種類の布を持ってきて」


 スミレの言葉に頭を一つ下げ、部屋を出て行く店員の紳士。

 戻ってきた時には、若い女性の店員と多くの布を両手に抱えてきた。


 すぐにスミレが動き出す。次から次と俺の肩から布を当てて楽しそうだ。


「今日はスミレも買うのだから、自分にも似合う色を選んでよ」


「私は別に良いの。ジョージがカッコ良ければ、それが私の幸せなんだから」


 俺の人生でかけられた嬉しい言葉十選が更新されてしまった。スミレは天然の人たらしの素質があるような気がするな。


 俺はスミレの言う通りに鏡の前に立ち、布を当て、見本の服を何着も試着した。結構疲れるが嬉しそうなスミレの顔が見れたから良いか。


 結局、10着ほどのスーツとドレスを購入した。

 これで当分は大丈夫か。次は春先に購入だな。


 その後はエクス城の不動産を扱っている部署に出向いた。売りに出されている屋敷が無いかの確認だ。帝都は東側に貴族の屋敷が集まっている。現在、空いている屋敷はないようだ。しかし帝都の東門の近くに大きな土地が余っていた。どうせならそこに屋敷を建てたらどうだと勧められる。


「う〜ん。どうしようかな?」


「案外、良いかもしれないわ。ジョージのロックウォールで屋敷の基礎を作れば、工期も短くなるでしょ。この敷地の広さなら修練所も作れるし、修練のダンジョンにも近くなるわよ」


 どうせなら豪邸を作ってやるか。

 パーティも開催しやすくなるし、使用人の数も増やせば金も消費できるしな。


「よし! この土地を購入しよう! 豪邸を建てよう! 俺はセンスがないから、スミレが好きなように設計してくれ」


 思い立ったら吉日。すぐに売買契約書にサインをした。支払いはギルドカードで済ませた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 その後、アクセサリー店でお揃いのブレスレットを購入した。

 毎年、お揃いのブレスレットを購入して、それまでしていたブレスレットはインテリアにして屋敷の壁に飾ることにした。

 少しずつ増えていくブレスレットをみれば、スミレとの絆が強固になっていくと感じるだろうな。


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 【ジョージは魔法の使い方を間違っていた!?】をお読みくださりありがとうございます。

 ここまでが2022/5/9〜2022/7/7の期間に執筆した内容です。もう9ヶ月【ジョージは魔法の使い方を間違っていた!?】を書いていなかったんですね。

 さすがに何を書いていたのか忘れてましたwww

 執筆再開にあたり、最初から読み返してみました。

 その感想ですが、面白い小説でした。

 作者なら自分の作品は面白く感じるんでしょうね。

 まぁ自分の小説を面白く感じないなら、36万文字まで書かないです。

 ジョージやスミレやベルク宰相が生き生きしていました。

 この小説を自分で執筆したとは……。

 この続きを書くのが少しプレッシャーになっています。

 でもそれ以上にワクワクもしています。

 実は物語はまだまだ序盤〜中盤なんです。何となくのプロットはあります。途中で変えるかもしれませんけど。

 でも完結できるまでモチベーションが保つのかはわからないです。

 36万文字を2ヶ月弱で書いていたんですね。気持ちが乗った時は取り憑かれたように執筆しちゃうんです。

 小説を書くのも去年の10/21以来です。約半年書いていないんですね。

 今は書きたい気持ちが出ています。

 仕事は忙しいですが、何とか時間を作ってこの続きを執筆したいと思います。

 これからも【ジョージは魔法の使い方を間違っていた!?】をよろしくお願い致します。

 

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