第二十二篇 テーマ「拡散する種」 ジャンル「エッセイ」

 春の季節。

 青空と温かい陽射しが人々を包んでいた。

 道端には新芽が芽吹き、鳥たちは春を感じてか歌い始める。


 そんなある日、私は友達から拡散するタネを渡された。

 それは花のタネで、一箇所で咲き誇らせれば周りの花々も咲いてくれるという、不思議なタネだった。


 私は友達が言う通り、そのタネを撒いて見たくなった。

 まずは自分の家の庭に撒き、その周りの草花も綺麗になると期待していた。

 日々タネに水をやり、育てること数日。ふと庭を見渡すと、私が育てた花たちが見事に咲き誇っていた。


 私は周りの花たちも咲かせてみたくて、拡散できる範囲内でタネを撒いていった。

 その場所は公園、学校、道端、友達の家…。どんな場所もタネを撒けば、ほどなく美しい花々が咲き誇るようになった。

 私は嬉しくなり、この花たちを多くの人に見てもらいたくなった。


 そこで私は、拡散をもっと広めることを決めた。

 友達や知り合いに「この不思議なタネを持っているよ」と伝え、花を愛でてもらえるように勧めた。

 すると、少しずつ広がっていき、私の見たことのない美しい花々が見られるようになった。


 それからしばらく時間がたった。ある日、私は学校を通りかかった。

 すると、校庭に一面に咲く花々が目に入った。なんと、あの不思議なタネが私の友達を通じて学校にも拡散され、誰もが見ることができるようになっていた。

 私は感動し、自分がした小さなことがこんなに広がったことに驚愕した。


 その後、私は広めるための手段を変えてみた。

 SNSに写真を投稿したり、花が咲いている場所を公開し、多くの人に知ってもらえるようにした。


 何度も挫折もあったが、私が拡散したタネは今では全国各地で咲き誇り、多くの人々の目に触れるようになっていた。

 私は小さなことから始めたこの取り組みで、こんなに大きなことができるのだと知った。

 拡散するタネは、美しい花たちを生み出すだけでなく、私たち人間の心にも花を咲かせる力があると感じたのだった。


 そんな風に、私の「拡散するタネ」は広がりを増し、人々に愛される存在になった。

 花を愛で、美しい景色を見て、心から幸せを感じたいと思うようになってから、私の人生はもっと明るく豊かになった。

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