転生したら国破壊中のドラゴンだったので破壊をやめてついでにこの世を平和にしたいと思います!

89林檎

第1話 俺が転生とかありえない!

俺は佐藤さとう。普通の会社員だ。先月から始めた仕事で上司にこき使われている。

しかも今日は二日酔いの真っ只中である。吐き気と頭痛に見舞われながらも辛うじて立っていた。


会社に行く途中の交差点で信号機が青に変わるのを待っている。

そういえば、信号って緑でも青信号だよな。とかなんとか思いながら信号機を見る。

信号の明かりが青になった。

交差点を渡り始める。

都会に響くけたたましいブレーキ音。


ん?ブレーキ音?

気づくと俺は吹っ飛んでいた。

弧を描き飛ぶ俺の体はスローモーションのようにゆっくりと動く。

ふと思い信号機の方に目を向ける。

まだ赤く光っている。

二日酔いで幻覚が見えたようだ。


死ぬのか?俺、まだ25だぞ?

しかも二日酔いだったし、、、。

最後くらいは幸せでありたかった。

行くなら天国がいいな。

フラグたてた?

まぁとにかく二日酔いを恨もう!


意識が遠のいていく。

俺はこれが死か、なんて思いながら道路に広がる血溜まりを見た。



ん?なんか熱くね?死んだからか?

恐る恐る目を開ける。

何これ?燃えてる?

目の前に広がったのは真っ赤な業火と焼け崩れた一つの国だった。

違う!俺が火吹いてる!?

俺は自分の体をよく見る。

鱗で包まれた筋肉質の体に尻尾。それに大きな翼。

は?、、、人ではないよね。うん。

てか、俺今なにしてんの?

頭の中の大量のハテナと戦いながらも冷静に状況を確認する。

俺は今、ドラゴンだ。多分、、、。

で、国を破壊している。


逃げた方が良くない?

大きな翼を広げる。鳥みたいなイメージ。

俺はドラゴン(多分)の姿で一度国を脱出した。


状況の整理は後でやろう。

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