第14話 死者のダンジョン 8 ダンジョン完全攻略!!!
「ふぅ……。全く最後まで
「アダマ! 生き返ったのですね! 」
エリアエルがいきなり抱き着いてきてお腹あたりを頭でぐりぐりしている。
心配をかけてしまった。
俺のせいではないにしろ罪悪感を感じるな。
だがこの口ぶり。まるで生き返る事を知っていたような口ぶりだな。
「アダマ。聞きたいことは山ほどあるが一先ずお帰り」
「お帰りです! アダマ! 」
「あぁ。ただいま」
神界で長く過ごしたせいかかなり久しぶりな気がするが、ここは確かに温かかった。
★
「「世界が滅亡?! 」」
「らしいぞ? 」
向こうで聞いたこと体験したことを二人に話す。
別に黙っていろとは言われてないので大丈夫だろう。
予想通り二人は驚くのだが、どこかしっくり来ていないようだ。
「……その
「アダマ。死んでいた内に残念な人に」
二人が残念な人を見る目で俺を見た。
ま、まぁ普通に考えればそう言う反応になるよな。
だが「死んで」「生き返った」のだ。
少しは信じてもらってもいいと思うのだが。
「嘘をついているような感じは受けません」
「仮に本当だとしても私達にどうしろと? 」
「さぁ。結局あの神様とやらは具体的なことは話さなかった。何かと付けて「人の手でやるべき」と言っていたからな」
「怪しい……」
「やはり怪しいですね」
正直俺も怪しいと思う。
だがあれほどの奇跡を見せられたら信じるしかない。
「その服も神様とやらが? 」
「何でも
「餞別が服一着とは。本当に神様だとしてもケチ過ぎないか? 」
確かに。
まぁ本来触れることのできない神々にダメージを負わせることができるスキルを得たと思えば、ケチ「過ぎる」とまでは思わないが。
俺が何回も死にながら手に入れたものだが。
「でどのようなスキルを得たのですか? 」
「
「手に入れたスキルは元のスキルに加えて――」
興味津々と言った表情で聞いて来る二人に俺は説明を行った。
俺が手に入れたスキルは「
更に詳しく説明する。
超硬化の上位版的存在
範囲防御の拡張版のような
何度も死に獣に立ち向かうことで手に入れた
拳に
空中戦を可能とする
そしてドラゴンの
これら一つ一つでも強力なのだが組み合わせることで更に強力になる。
特に守備範囲を広げる
「……全く聞いたことのないスキルだが、
「わたし達を超える
「その出鱈目で理不尽なスキルをもってしても滅亡を回避できる可能性は半々らしいが」
俺がそう言うと二人は黙る。
「結局の所俺一人が強くなってもダメだということだ」
「そうですね。わたしはもっと範囲魔法を
「あぁ。あの死神を切り刻めるようになるくらいには強くならないとな」
二人は顔を上げて元気を取り戻した。
そんな彼女達を見ていると、ふと思い出す。
「そう言えばここは三十階層ボス部屋だよな? 」
「そうだな」
「なら次の階層があるということか? 」
それを聞き全体に緊張が走る。
しかし俺はあるものに気が付く。
「あれは何だ? 」
奥に光るものが見えた。
指さす方を二人が見ると「魔法陣! 」「まさか帰還用の?! 」と驚いている。
だが少し様子がおかしい。
「帰還用の魔法陣って緑だったか? 」
「! 」
「そう言えば魔法陣の色は青でしたね」
そう聞くと怪しく見える。
しかしあれ以外に何も現れない。
通常下のフロアボスを倒したら、——ダンジョンの種類にもよるが——下の階層へ行く階段が現れる。
しかしそれも見えない。
どういうことだ?
「一先ず行ってみますか? 」
「危険すぎる」
「アダマと同意だ。行った先が毒の部屋とか流石に嫌だぞ? 」
「しかしアダマがいればわたし達は安全なのでは? 」
「「!!! 」」
確かにそうだ。
俺のスキルは守ることに関してだけは一級。
スキルを発動させながら魔法陣に入れば例えマグマの中でも水泳ができるだろう。
「じゃぁ行ってみるか」
「そうしましょう」
「そうだな。考えてみればあれに乗る以外にこのダンジョンから出る方法がない」
シグナの言葉に「もっともだ」と頷きながら俺達は魔法陣に乗る。
そして――転移した。
★
転移した先は無機質な部屋だった。
「なんだここ」
独り
先に進むと一つの台があった。
そして何やらその上に大きめの、
「これはっ! 」
「ダンジョンコア?! 」
「なに?! 」
エリアエルの言葉に驚き彼女を見る。
そして台の上に
これがダンジョンコアなのか?!
ダンジョンコアはダンジョンを維持する魔石のような物。
「ということは」
「『死者のダンジョン』の完全攻略です! 」
エリアエルが見上げてそう言った。
か、完全攻略! 本当か!
「なら出られるということか?! 」
「その通りです! 」
や、やったぁ......。
力が抜けて崩れるように座り込む。
「ど、どうしましたか?! 」
「一度死んだのが影響しているのか? 」
「いや安心しただけだ」
「「安心? 」」
二人はハモって首を傾げた。
彼女達に苦笑いで返しながらも立てていた
それはあの死神の分体が中ボスで、本物の死神がダンジョンボスと言う可能性だ。
今回は俺だけが試練を受けた。
だがもしこの二人に試練を
しかしそうならずに済んでよかったと思う。
女の子に危害が加わるのは好きではないのだ。
「ではアダマ。この球体に手をかざしてください」
シグナに手を引っ張られながら立つと、エリアエルに言われた。
「手をかざす? 」
「踏破者の登録をするのです」
「それならば三人で」
「いや私はやめておこう」
「わたしもです」
「なんでだ? 」
そう言い二人は顔を見合わせこちらを向いた。
「結局あの死神に勝てませんでした」
「ボス戦では全く役に立たなかったからな。
そう言い
最終的に俺が踏破者として登録するが、三人で踏破したという報告をするということで話は落ち着いた。
「じゃぁやるぞ」
二人に目をやった後ダンジョンコアに手を伸ばす。
触れた瞬間、俺の名前が記録された。
———
後書き
こここまで読んでいただきありがとうございます!!!
面白く感じていただければ、是非とも「フォロー」や目次下部にある「★評価」をぽちっとよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます