第2話
男の鼻息だけが荒くなる。鼻息の匂いなのか、顔の匂いなのか。今はあまり気にならない。生まれてハジメテ、口内を舌でまさぐられているのだから。
ふたりはまだ、服を着たままだ。これからどうなるのだろう。
「髪は洗わなくてダイジョブですからね」
そこまでは、わかっている。
ただ、女は全てにお行儀よく「はい」と返事をして応じた。
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