(3)

「追うぞ……」

「この2人、どうすんだ?」

「付いて来る気なら、どっかで戦闘服に着替えろ。帰る気なら、後から来る応援に連れてってもらえ」

 駅内では、更に、混乱の声。

 何故か、駅内を無人の4輪バギーが2台走って、こっちに向って来る。

 更に、その4輪バギーから、爆弾みたいなモノが発射され、改札を破壊。

 何故か、ここに現われた2人の「正義の味方」は、その4輪バギーに飛び乗り、ホームの方へ走り去る。

「と……とりあえず……着替えよっか……」

「う……うん……」

 そのまま、あたし達は、女性用トイレに入る。

 着替え終ると……。

「あ……」

「えっと……?」

 一般人は虚ろな目になって……「正義の味方」のメンバーらしい人達の誘導に従っていた。

「どうなってんの、これ?」

『大阪の一般市民は、何度も精神操作をされてるのが普通。なので、精神操作系の異能力への抵抗力が極度に落ちてる』

 ヘルメット内の無線機から誰かの声。

『とりあえず、戻るのがオススメだけど……』

「行くッ‼」

 そう言ったのは沙也加ちゃん。沙也加ちゃんの方が、腕に付けてる端末から声がしてる。

『言っとくけど、この駅内では、警官に電撃を使わないでね。人間爆弾に変えられてる人に、そんな真似したら何が起きるか判らないから』

「えっ……?」

『警官を無力化するなら、魔法系の方法がオススメ』

「ところで、何で、警官が人間爆弾に変えられてんの?」

『大阪を襲撃しようとしてる韓国のヤクザにバレちゃったみたい。

「え……?」

『つまり……精神操作能力者1人を精神操作する事に成功したら……その精神操作能力者に精神操作されてる警官隊や軍の特殊部隊が1つ手駒になっちゃう訳』

 つまり……大阪の一般人からすると……自分達を守ってくれる筈の警察官が……いつの間にか、自分達の敵と化すか知れたモノじゃない悪の手先になってる訳か……。

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