ご飯を待つ間ーモルモットのお姫様の場合。





タンタンタンタンタンタンタンタン。


野菜を刻む中。


タンタンタンタンタンタンタンタン。




・・・・・・背後から視線を感じる!



物陰から

顔を半分だけ出して

じーっと見ている

お姫様。


目が合う。


ぴゅいー!

ぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃ。


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昔、2時間ドラマの全盛期。

大人気シリーズ『家政婦は見た』


主演・市原悦子演ずる

家政婦が覗き見た、派遣先の家の謎。

「わたし、見ちゃったの」

やがて物語は

恐ろしい事件へと発展し・・・!

という、サスペンスストーリー。


再放送で初めて観たが

意外と面白かった。


名優・市原悦子さすがだ。


2時間ドラマ、

全盛期は知らないが

軽めのサスペンスを堪能できる。

密度を考えると

きっちり収めている構成は

すごい。


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モルモットのお姫様が

物陰から見ている姿は

まさに!

『物陰から伺う市原悦子』の姿

そのもの。


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我が家では

『物陰から様子を伺う=覗き見』を

『悦子』と言う。


男の仔だけのハムスターには

これはない。


女の仔だけのモルモットが

ご飯の準備中に

『悦子』になってしまう。


種の違いというよりも

たぶん女の仔だから、と予想している。


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「ひめさま、悦子だー」


指摘され隠れる 

モルモットのお姫様。


ちらっ。

じー。


「また悦子してるー」


ササッ。


ちらっ。


じー・・・


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覗き見は

お行儀良くない。

モルモットのお姫様は

判っている。


ぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃ。



それでも『悦子』になっちゃう。


気になっちゃうんだよね、ご飯。


堂々と見てもよいのに

それはそれで

お姫様らしさに欠ける、はしたない。

そう思っているフシがある。


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全員の野菜を刻んで

盛り付けて

食器を出すまで

約20分。


お姫様が悦子化しながら 

うろうろしても当たり前。


ぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃぷぃ。


ウロウロウロウロウロウロウロウロ。


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