がぶちゅー



<前回までのあらすじ>


おとうちゃんが「大好きだから許せない!」と

怒りに駆られて 

おとうちゃんを噛んで大ケガをさせたお姫様。

怒ってないよ、と言われ涙する姫の恋心は

更に高まり・・・。


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「ほら、おとうちゃんの傷 もう治ったよ」


見せられた手には

もう傷がどこかは判らない。


ない!傷がない!


手をひっくりかえして、

反対の手も見て。

傷は どこにもなかった。


「いいかー姫。

 傷は すぐ治せるけど

 噛まれたら 痛いんやからなー。

 気ぃつけてなー」


ぷゆぴゅゆ。

ぷゆー。


「傷がすぐ治る・・・」


姫は思った。


治るなら ちゅー して いいんだ、と。


おとうちゃんの目を合わせながら

姫の口が

カパーッ と開く。


「いや、待て待て!

 ガブチュは いかん!」


おとうちゃん 大好き!


姫の愛のチュー。



ガガガガガガガガガガガガ!


痛たたたたたたたたたたた!




姫の甘噛みは16連射。


甘噛みだから血は出ない。






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