久根高校で聞き込み調査
ぎゅるるるとお腹の音が鳴る。久根高校で聞き込みをする前に腹ごしらえをしよう。蕎麦の気分だったので、目に付いた蕎麦屋さんに入った。
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
「1人です」
「カウンターにどうぞ」
カウンター席に座りメニューを見る。ざる蕎麦と天麩羅のセットに目が惹かれた。最近暑くなってきたし、ざる蕎麦良いじゃない。
「すいませーん」
「メニューは決まりましたか?」
「はい。ざる蕎麦と天麩羅のセットをお願いします」
「かしこまりました。お水とおしぼりは、セルフとなっておりますので、あちらからどうぞ」
美和は、お水とおしぼりを取り、カウンター席に戻った。良い匂い〜がしてから数分後。
「お待たせしました。ざる蕎麦と天麩羅のセットになります」
「わぁ〜い。ありがとうございます」
彩りが鮮やかな天麩羅とざる蕎麦のコラボレーション。先ずは野菜の天麩羅から。
「いただきます。サクッ」
外サクサク、中フワフワ。
「美味しい〜」
次はざる蕎麦を。
「ツルツルツル」
コシがありツルツルとして、何杯でも食べられそう。
美和は黙々と食べ進め完食した。
「ご馳走様でした」
「勘定ですね。少々お待ちください。ざる蕎麦と天麩羅のセットで720円になります」
「1,000円で」
「はい。280円のお釣りになります。またのご来店をお待ちしております」
「美味しかったです。ご馳走様でした」
美和はそういうと蕎麦屋さんを後にした。
さて、じゃあ久根高校で聞き込みと行きますか。
私立久根高校、校則が緩く、ちょっとやんちゃ坊主が多く在籍している。その校長室を美和は訪ねた。
「失礼します」
「どちら様でしょうか?」
「私はこういう者です」
美和は警察手帳を校長先生に提示した。
「警察の方がいったいどうして?」
「こちらに在籍している生徒についてお聞きしたいことがありまして」
「はぁ〜また誰か問題を起こしましたか?全く困ったものです」
「いえ、久根峠でこちらの生徒が亡くなった事件は、ご存知でしょうか?」
「行方不明になった事件なら知っていますが亡くなった事件というのは知りませんな」
「行方不明?」
「えぇ、5年前でしたかな神崎大和という在校生が久根峠で行方不明になっておりまして、未だ見つかっておりません」
「捜索願いは、出されているのでしょうか?」
「天涯孤独の身でしてな。確か親友だった
「友人のお母様が捜索願いを?」
「えぇ、天涯孤独の身だったので哀れに思ったのでしょうな」
「成程、行方不明のことはわかりました。こちらの生徒が亡くなった事件なんですが走田一が久根峠で亡くなりました」
「走田君が?」
「えぇ、何か知っていることがあれば教えていただきたいのですが」
「生憎ですが何もわかりませんなぁ。あっ同じクラスで仲の良かった2人なら何か知っているかもしれません。応接室に呼び出しますのでお待ちいただけますか?」
「えぇ、わかりました」
応接室にて待っていると2人の生徒が入ってきた。
「カッタリィ〜警察が何のようだよ」
「走田一が亡くなったのは知ってるわね」
「しっしらねぇ。俺は何も見てねぇ」
急にガタガタ震え出し、小さく。
「首なしライダーの呪いだ」
「走田は首なしライダーに首を持ってかれたんだ」
2人はそう言う。
「どういうこと?」
「首だけが見つからない」
「掲示板そっくりだ」
「その掲示板は走田も知ってたの?」
「いや、俺たちは聞いただけだ」
「誰から?」
「噂話が好きなクラスの奴から」
「走田は走り屋の聖地である久根峠と聞いて、汚されたと思ったのかそいつを何度も殴っていた」
「傷害罪ね」
「うっ。俺たちもそんな都市伝説を信じちゃいなかったからその日の夜、久根峠で賭けレースを開催したんだ」
「賭博罪ね」
「うっ。レースはぶっちぎり走田の独走で終わったが副リーダーと新人の車って奴が近付いて見た走田の首は無くて、血が出ていたであろう場所は何故か焼け焦げていて、グロテスクだった。思い出しただけでオェーーー」
「うっぷ」
「それは災難だったわね。現場で何かおかしな事は無かったかしら?」
「そういえば、いつもなら激戦を繰り広げる副リーダーがあの日に限って一度も追いつけていなかった」
「あぁ確かに今にして思えば、おかしい。まさか副リーダーが走田を?」
「副リーダーって人が走田を殺す動機があるのかしら?」
「元々、ファウストは、副リーダーの
「成程。その柴さんにはどこに行けば会えるのかしら?」
「柴さんはここの卒業生で、この時間なら久根通り商店街にあるスターって店で開店準備してるはずです」
「スターね。行ってみるわ。あっそうそう傷害罪と賭博罪で組織犯罪対策課に報告あげるから後日こってり絞られると思うけど覚悟しなさいね」
「えっ?マジ」
「大マジよ」
「何とかなりませんか?」
「犯罪を見逃す警察官がいると思うかしら?」
「反省してます。もうしません」
「ダメです。口だけの反省は何の意味もないわよ」
「この鬼」
「侮辱罪も追加しましょうか?」
「クソッタレがぁ」
2人はそう吐き捨てて応接室を後にした。あれだけきつく言っておけばしっかり反省するかと思ったけど甘かったわね。組織犯罪対策課の怖い人たちに後はお願いしましょう。未成年だから厳重注意で済むとは思うけどこってり絞られれば少しは反省するでしょ。校長先生から聞いた元在校生の行方不明の話も気になるが今日のところは、走田の周辺の調査にしておこう。久根商店街にあるスターって、店に行きましょう。
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