第12話

今になって王女の名前がフローラって色々と不味くないか?と気づいたので変更しました。

フローラ→マエル


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーカレア、クリスsideーーー


「姉ちゃんさっきから部屋の中を行ったり来たりしてどうしたの?」


「どうしてって。ご主人様が不気味すぎて落ち着かないのよ。私にエリクサーまで使って。夜の相手をしろとも言わない。純粋に護衛として雇いたいなら私なんかより優れた奴隷はいっぱいいたし。何か裏が有りそうじゃない」


「まぁ確かに、借金奴隷は人としての権利を最低限保証されてると言っても優し過ぎるし。何か裏があるかも?って勘ぐっちゃう気持ちも分かるけど。あの人からは悪人の臭いがしなかったから大丈夫だよ」


「ほんとにいつも思うけど。悪人の臭いってなによ?いくら私たちが黒狼族で嗅覚に優れているからと言って、そんな臭い嗅ぎ分けられる訳無いじゃない!って言いたいところなんだけど……昔からそれには助けられてるからね」


「でしょ?とりあえず今日は早めに寝ようよ。明日は何時から働くことになるのか分からないんだから」



「そうね。ここまで質のいいベットで寝るのも久しぶり……いや、初めてだし。ベットを堪能させて貰うことにしましょう」



ーーーシャンsideーーー


「よっしゃー!ルーン文字で影という意味になる組み合わせは使わないどころか。この世界の魔法文字と図形だけで闇属性の攻撃魔法が作れたぞ!」


今まで作っていた新しい魔法はルーン文字と言う前世の知識チートを使って作っていたから正直、俺の実力って感じがしてなかったけど。


この世界に生きる人が勉強すれば誰でも知ることが出来る魔法文字と図形の組み合わせだけで新しい魔法を作れたのは俺の実力って感じがしてもの凄く嬉しい。


「いやぁ〜この魔法はこの世界では常識とまでは言わないけど。魔法について少し勉強すれば身につく知識だけで完成させたから、魔法陣を隠蔽せずに広めることが出来る」


攻撃魔法がゼロかイチってのは闇属性に適正を持っている人からしたら物凄い違いだろう。


あ〜今回は本当に達成感が凄いな。

完成したら集中力が切れて凄く眠くなってきた


「って外が明るい?」



ふと窓を見たら外が明るい。気づいたら朝になっていた。


どうやら徹夜で魔法を作っていたらしい。

今から寝るのは……カレアとクリスの事が有るしダメだな。


とりあえず。シャワーを浴びて目を覚ますことにする。


シャワーを浴びても完全に眠気は取れず、メイドさんに紅茶でも頼もうかなとか考えているとドアがノックされる。


「シャン殿。スレイです。至急お伝えしなくてはいけない事が出来ました」


「スレイさんか……どうぞ」


鍵を開けてドアを開ける。


「シャン殿。今日中に王都を出て未開拓領域に出発して頂く事になったと伝えに来たのですが……物凄く眠そうですね」


今日中に?数日は余裕があると思ってたんだけど。


「それは確かに至急の要件ですね。流石に後数日は余裕があると思っていたのですが」


「ここまで急ぐ必要が出たのはシャン殿のせいでも有りますよ?魔石生成魔法、アレはやり過ぎです。少し強引な手を使ったとしても自分の派閥に引き入れようと王族の方々が動きはじめました」


あ〜そう言う事か。

それじゃ、文句は言えないな。むしろ謝らなきゃ行けないな。


「と言っても直ぐに出発出来るものなんですか?」


「無理です。私たちだけなら出発出来ない事も無いですが、開拓するには多くの人が必要です。今回の開拓に協力いただける方々に今日出発します。なんて言っても集まれる訳無いですからね」


「ですよね。でも、今日出発するんですよね?」


そう言って俺のところに来てるんだから。


「シャン殿には開拓に協力して頂ける方々の中で私の知り合いでも有る冒険者パーティーと一緒に先発隊として出発して頂きます」


そう言う事か。確かにそれなら今日中に出発出来るな。


「分かりました。俺がやり過ぎたのが原因みたいだし。指示通り今日中に出発します」


正直、人数が多いと移動には時間がかかる。

そう考えると少人数で移動する先発隊として出発出来るのは割と悪くない。


「そうだ。出発するのは問題無いんですけど。カレアが使う双剣を1組用意して欲しいんですけど」


護衛として雇ったのは良いけど、武器を持たせて無いからな。

素手で戦わせる訳にはいかないし、自分達で買いに行く時間が無いなら。スレイさんに用意して貰うしかない。


「分かりました。直ぐに用意出来るものとなると、そこそこのものしか用意出来ないですが。用意させて頂きます」


スレイさんが1時間後この部屋に戻ってくると言って部屋から出て行った。


俺が特に準備したりする事は無いけど。


今のうちに2人を迎えに行かないと。

2人からしたらいきなりの移動で大変だと思うけど、頑張って貰うしかない。

物資を積んだ馬車を用意してくれるって話だから。馬車の積荷を影収納に仕舞って2人が乗れるようにすれば少しは楽になるかな。


俺は魔法を複数維持できるようになる訓練の為に影狼に騎乗して移動するつもりだけど。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



読んでいただきありがとうございます。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る