第9話
(それじゃ、聖痕とエリクサーのプレゼント。エリクサーは影収納の中に入れとくね〜それと信用出来る仲間が欲しいならグロルと言う奴隷商のお店に行くといい出会いがあるかも?それじゃまたね〜)
左手に一瞬痛みを感じたので確認してみると左手の甲に月の女神を表す紋章が浮かび上がっていた。
と言うか俺、月の女神から話しかけられた事が衝撃的すぎて神殿の入口で突っ立てたな。
すっげー邪魔だったろうな早く移動した方が良いかもと思ったところで神官たちが俺の事を囲んで五体投地していることに気づいた。
原因は考えるまでもなく聖痕だよな。
さて、どうしようか……
無下に扱われる事は無いだろうけど。
五体投地した人たちに囲まれてるってちょっと居心地が悪い。
「これは申し訳ございません。貴方様から月の女神様の気配を感じたのでいてもたってもいられず」
月の女神と念話?で話をしている間は俺から神聖なオーラが溢れ出てたりしたのだろうか?
月の女神との会話に夢中になりすぎて、それ以外の事全く気にしてなかったな。
「あ〜そうだったんですね。えーと俺の作った魔法を月の女神様が大変評価して下さって。神官魔法に加えていただき。聖痕まで授けて頂きました。詳しい事は月の女神様から神託が下るかと」
おぉーと神官たちから歓声が上がる。
取り敢えず月の女神の神像に祈りを捧げてから月の女神神殿を後にした。魔石生成魔法について神託が下ったようで俺に構っている余裕がなくなったからあっさり帰ることが出来た感じだな。
まぁ、神官達は単純に月の女神から念話で話しかけられた俺にその時どんな感じだったかとか色々話を聞きたかっただけみたいだけど。
「なんか凄い大事になっちゃったな……」
まぁ、月の女神神殿と言う大きな後ろ盾が出来たと喜んでおくか。
闇属性の魔法は最弱魔法とディスられているけど。月の女神も人気がないのか?と言われるとそれは違う。
月の明かりはあらゆるものを浄化する。
そう言った経緯から月の女神の神官は
あらゆるものを浄化する神官魔法が使える。
魔物の能力のせいで汚染されてしまった土地とか。呪いとか、浄化って結構需要があるので下手に敵対して浄化を断られる事は避けたいので、神殿がよっぽど調子にのらなきゃ敵対しようと思う勢力はいない。
まぁ、浄化系の神官魔法は他の神殿の神官も使えるから月の女神神殿一人勝ちって訳でも無いけど。
それよりは、月の女神が魔物を生み出した神でもあると言うのが月の女神神殿に喧嘩を売らない一番の理由だろう。
大昔、月の女神神殿に喧嘩を売った国が神罰により魔物の大群に滅ぼされたって記録も残っているからな。
そんなんだと神官が調子乗ってやりたい放題しそうなものだけど。そう言う神官は神罰対象なので神殿が腐敗するって事は無いみたい。
神が身内びいきしだしたら?とか思わなくも無いけど。こう言うのは考え出したらキリがないやつなので考えるのを止める。
「そう言えば。グロルって奴隷商のお店の場所知ってますか?」
ちょっと忘れかけてたけど。信用出来る仲間が欲しければ、そこに行くといいって月の女神が言っていたからな。
現状、利害の一致している協力者はいるけど。
信用出来る仲間はいないからな。
俺の存在が邪魔になったら後ろからバッサリとかありなくも無いからな。
いや、月の女神神殿の後ろ盾のおかげでそこまで露骨なのは無いかな?
聖痕持ちになったから月の女神神殿が味方になってくれるのは間違い無いけど。
月の女神神殿に所属している訳じゃ無いからな。
そこまでガッツリ味方になってくれるって訳じゃ無いだろうし。
そう考えると、信用出来る仲間が欲しい。
となると月の女神の言う通りにするのが良いだろう。
「グロルのお店ですか。鉱山奴隷となった犯罪者の管理を委託している奴隷商の1つなので場所は分かりますが。奴隷をお求めで?」
護衛の騎士に奴隷商のお店の位置なんて知らないかな?と思ったけど。そう言う繋がりがあるのか。
「そうですね。エラルド殿下から頂いた報酬があるので、自分の部下が欲しいなと思ったんですけど。自分にはツテが無いですからね。奴隷を雇うのが無難かなと」
奴隷と言っても犯罪奴隷でも無ければ、物のように扱われたりはしない。
ちょっとブラックな会社の社員ぐらいの扱いかな?
いやまぁ、十分酷い気がするけど。
この世界、社会保障なんて存在しないから、死ぬよりはブラックな会社の社員ぐらいの扱いの方がマシだからな。
「なるほど。ではグロルの店に向かいましょう」
移動に使っている馬車が奴隷商のお店に向かって走り出す。
月の女神オススメの人材は一体どんな人物なんだろう?
後、奴隷とか関係無しに突然今日から俺の部下として働かせますって言うだけで王城の中連れてけるかな?……いや、無理だろう普通に考えて。
奴隷を雇う止めるってのは個人的に無しなので。
何とか城内を歩けるようにお願いするしかないか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます