最弱認定されている属性魔法を前世の知識を使って最強属性に ~のんびりファンタジー世界を堪能したかったのですが周りが放っておいてくれません~

塩分過太郎

第1話

「いや〜ようやく廃嫡される事が出来た。どうせ廃嫡する気満々なんだからもっと早く廃嫡してくれれば良いのに」


大人になっていない子供の状態で廃嫡すると外聞が悪いって理由だけで俺の事を15歳になるまで廃嫡しなかったからな。こちとらいい迷惑だ。


しかも廃嫡しても何も可笑しく思われないように、俺が色々問題を起こしているとでっち上げてわざとその情報を流す用意周到っぷり。


ほんと嫌になっちゃうよね。


まぁ、俺がデバフしか使えない闇属性魔法しか使えなくて魔力量も平民魔法使いレベルなのが悪いらしいけど。


そんなの俺が選んで生まれて来る事は出来ないんだから理不尽だと思う。


「まぁ、もう俺には関係ない事だ」


今後一切関わる事が無い奴らのことを考えるだけ無駄ってやつだ。


流れ的には冒険者ギルドに行って冒険者登録しないと行けないんだろうけど。


一応、俺の事を廃嫡したヤツらは、この街を中心とした土地を治める貴族。


早くこの土地から抜け出さないと刺客に殺されてしまうだろう。


正面から堂々と襲いかかって来たら返り討ちにしてやるけど。

信用出来る味方がいないし、寝ている間とかに襲われたら抵抗できずに殺されちゃうからな。


どうせ冒険者ギルドにも貴族の子飼いの奴が待機している筈だからな。

今は街の外にでて、いまさっきまで俺の家族だったフィレーム辺境伯家の領地から出て行かないと。


(と言っても辺境伯家ともなると治める領地は広いし、手駒も多い。同じ派閥の貴族の領地も避けないと行けないし…俺が普通の15歳だったら確実に詰んでたな)


普通じゃないと言うのは自分が天才とかそう言う訳じゃなくて。


前世の記憶、それも別世界の記憶があると言う意味で普通じゃない。


前世の記憶的に言えば異世界転生ってやつかな?


前世のおかげで新しい闇属性魔法を色々作り出す事が出来たし。こうやって廃嫡されても生きていく目処を立てる事が出来た。


それにしてもアニメにハマって勉強したルーン文字の知識が役に立つとはホントに思わなかったな。



日が沈むまでに出来るだけ目的地に近づきたい。


ひとまずの目標はフィレーム家の参加する派閥の敵対派閥……ではなく中立派閥だ。


敵対派閥の領地にいた方がフィレーム家が手を出すことは出来ないだろうが。


敵対派閥からしたら元だとしてもフィレーム家の人間が自分の領地に無断でいることを問題視して命を狙って来る可能性がある。


わざわざ元フィレーム家の人間だと言うつもりは無いけど。

バレる可能性だって有るからな。


現状敵が増えるのは遠慮したいので、バレたとしてもいきなり敵対される事は無いだろう中立派閥の貴族の領地を目指す訳だ。


単純に敵対派閥の貴族の領地より中立派閥の貴族の領地の方がここから近い距離にあるって理由も有るけど。


さて、問題は穏便にこの街から出られるかってところなんだけど。


あっさり脱出出来たな。


追っ手なんか用意しなくても勝手に死ぬだろうって判断したのか?


外で殺した方が処理が楽ってだけかも知れないし、まだ油断するには早いな。


まぁ俺も、これからは自重するつもりがないので、襲われても返り討ちに出来るだろう。

相手は油断しているだろうしね。


「さてと先ずは足の用意だね〈影狼〉」


地面に魔法陣が形成されて魔法陣が真っ黒な狼が出てくる。


この狼は影で作られたゴーレムだ。

家に軟禁されている時の成果の1つだな。


この世界の魔法は魔法文字と言われる文字と図形などを合わせて魔法陣を作り出すことで発動する。


この魔法文字と図形の組み合わせでは闇属性魔法はデバフを与えるものしか作る事が出来ず。そのせいでデバフしか使えない最弱属性と言われている訳だ。


何だけど。前世で学んだルーン文字と図形を組み合わせて作り出した魔法陣なら、こんな感じに影のゴーレムを作り出す魔法だって使えてしまう。


まじで前世ルーン文字について勉強しといて良かった。


因みに、こうやってオリジナルの魔法を作っても魔法陣を模倣されて直ぐに他人にも使えるようになっちゃうんじゃ?と思うだろうけど。


そこら辺は神が対策している。

魔法陣に組み込むと魔法陣が他者から見ると円の中に六角形の図形が設置されている単純な魔法陣にしか見えなくなる魔法文字と言うのが存在している。

この魔法文字の存在のおかげでオリジナル魔法の魔法陣の秘匿が可能という訳だ。


頑張って新しい魔法を作ってもすぐに模倣されてしまうならやる気が出ないってなってしまい。

魔法が発展しなくなる可能性もあると思うし。

この魔法文字を作り出した神はナイス判断だと思う。神様に対して何様だよって感じだけど。


さてと、闇属性にしか適正の無いことと、魔力量が平民魔法使いレベルしか無いことが判明してから部屋から1歩も出して貰えなかったから体を鍛える事も出来ず。街から歩いて出るだけで疲れてしまったので、人目のない所まで移動せずに影狼を作り出しちゃったからな。

さっきからこちらを見る視線が増えている。


面倒なことになる前に早くこの場から離れよう。


影狼に跨って影狼を目的地に向かって走らせた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る