好きなんだよって話です
灰雪あられ
第1話 好きな子がフラれた
泣いてる。
好きな子がフラれて泣いてる。
「なぁ、ほら、死ぬわけじゃないしさ…」
涙にはどんな励ましも効かなかった。
「だって…あ゛んな゛思わぜぶりなごとじどいでぇ!」
「いや勝手にそう思ってただけだし…」
「あ゛いづぎらい〜!」
ベシッと頭を叩かれた。
「ゔうぅ〜」
歩夢は切なげに言った。
「あのなぁ、俺の前でそーゆーこと言うの禁止。フラれたけどまだ好きなんだよ」
「ああ゛ぁ〜僕の方がお前のごどずぎなのに〜!」
「そりゃ…どうも……」
歩夢は少し気恥ずかしそうに顔を背けた。
いつもはもっと照れるのに、少しで済むことがトゲとなり心に刺さる。
泣き声だけが聞こえるようになって、居心地の悪い空気になった。
「ああ!もう!千隼が泣く前に俺を慰めてくれよ」
「あ゛いづ埋めでぐる〜」
「違う。そうじゃない。」
「あ゛ぁ〜」
結局、僕は泣きまくり歩夢が慰め続け、フラれた歩夢に家まで送ってもらうという、訳の分からないことになった。
歩夢は好きな人が出来るとすぐ告白する。
そして、付き合うにしても必ずフラれる。
今回は初めからフラれてたから珍しい方。
いい加減告白なんて諦めればいいのに。
僕がこんなに好きって言っても伝わらないし、アピールしても胸キュンなんかしてくれないのに。
なんであんな誰にでも愛想振ってるような奴に引っ掛かるかな。
。
「あーもー!」
…まだ好きって言ってたし。
今日もまた失恋だよ。
枕に顔をうずめて泣くうちに、いつのまにか眠っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます