柳町

 現在NHKの朝ドラでは、笠置シヅ子さんをモデルとしたドラマをやっています。笠置シヅ子さんの代表曲と言えば『東京ブギウギ』ですが、他にもご当地ブギウギがたくさん作られたそうです。


 調べていて『博多ブギウギ』というのもあると知り、歌詞を読んでみました。すると柳町という地名が出てきます。福岡に移り住んでからもう随分と経ちますが、初耳の地名です。さらに調べてみると、昔はそういう名前の遊郭街があったようです。


 今でもその手の店が多い中州のあたりかと思えばそうではなくて、元々は現在の博多駅の北の方にある下呉服町というところにあったんだそうです。ただ明治の終わり頃に現九州大学(旧帝大、当時は福岡医科大学)の設置に伴い、近所に遊郭があるとまずいのでもっと南の方の現在の清川という所に移転したようです。


 この清川から近いところに柳橋連合市場という魚市場があるんですが、柳橋という橋はあるものの地名としてはやや唐突なので、なんでそんな名前なのか以前から不思議に思ってました。というかなんでここに魚市場?という立地です。でもそこが逆に珍しいのか観光客も多いです。


 ここから先は単に推測ですが、柳橋の名前はやはり柳町の名残では無いでしょうか?遊郭の廃止と共に、柳町(正確には移転後は新柳町)は清川と名前を替えました。もちろん『川』というのは柳橋もかかっている那珂川(この界隈を流れている川の名前です)由来でしょうが、遊郭跡地に『清』の字をあてるというのは若干痛い感じもしますね。


 清川のあたりには現在も料亭があり、なんでこんなところに料亭?という感じがしていました。昔はいくつもあったんでしょうね。それで柳橋連合市場にも需要があったんでしょう。今でも清川の街を歩いていると独特の雰囲気を感じます。なるほどそう言う事だったのかと合点が行きました。


 地名は面白いですね。住所表記に残っていなくても、公園の名前や交差点の名前で昔のものが残っていたりします。調べてみると知らなかった歴史が出てきます。

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