最適化問題

 NHK朝ドラの「らんまん」もそろそろ終わりが見えてきました。終盤になって何度も名前が出てくる南方熊楠氏ですが、氏と言えば粘菌です。いいのか悪いのかイグノーベル賞をとっているのでご存知の方も多いと思いますが、粘菌には迷路を解く能力があります。


 平面的な迷路に粘菌をまんべんなく配置して、スタートとゴールにエサを置いておくと、一体化した粘菌はスタートとゴールの最短ルートを指し示すというものです。


 実験の詳細はネットで検索するとすぐ出てくると思います。私がこの話を聞いて前から思っていたのが量子コンピューターとの類似性です。量子コンピューターが得意とする計算は、まさにこれと同じ最適化問題です。


 専門家ではないので量子コンピュータの仕組みは良く分かっていませんが、現在の理解としては計算より実験に近いものだと捉えています(違っていたらスイマセン)。従来のコンピューターの様に計算して答えを出すというよりは、条件を入力してやると正解に収束していく…実験結果の様に答えが出てくるという感じです。


 粘菌はもちろん脳なんてない単細胞生物なので、考えて答えを出しているわけではないです。代謝に一番有利な状態に収束していった結果、正解を導き出したという風に捉えています。でもこれって似てませんかね?


 人間は理屈が分からないと不安な生き物なので、不可解な事があると一生懸命理屈を考えますが、考えても分からない理屈というのは永遠にあって、そのあたりにこの世界の本質が隠されているんじゃないでしょうか?


 でも考える事自体は楽しいので、解けない謎は神様からの贈り物なのかもしれないなと思います。

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