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 「なんだあいつら。おまえパスポート代、踏み倒しただろ」

 「まさか! パスポート偽造を見逃してやった」

 「最低だ、おまえ」

 「仕方ない。税金を偽造パスポートづくりに使えないだろ?」

 「最低だ、新逗子警察」

 「てか、おまえこそ乱暴に合流しやがって。最悪だ」


 「パパ! パパ、なんで!」

 「ちょ、フウ太、あぶないつの」

 助手席から身をのりだすと、ツキノワグマがパッカリ、赤い口を広げた。


 あ、なんだか怒ってる。


 「ガキが手をだすことじゃねぇだろが」


 理不尽!


 「あれ、フウ、お義父さんに相談したんじゃなかった? オレ、いったよね」


 最初に相談したよ!


 「だれがお義父さんだふざけるな」

 「お義父さん! 急で、オレ、きょうなにもお土産が、」

 「羽田空港の東京ばな奈クマっすで手を打ってやる」


 え、なにはなしてるの、本人不在で。

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