5億年ボタン押して最強になったと思ったらクラスメイトがほぼ人外だった話

ぴゃぁ

第1話 第1段階

(んっ、あぁ電話か)


リビングから聞こえてくる電話の着信音で目を覚ます。ベッドからでてスリッパを履き電話を取りに向かう。


「もしもし」『もしもしwwえー、11さんのお宅でよろしいですかwww』「よろしい」『そうすかwwwそれで今日もうちこれますかww』「行けないから行くわ」『ん?????』「そゆことで、じゃ。」

(たぶん集合は1時だよな)


横目で壁にかかっている時計を見たあと、呟いた


「さて、朝ご飯食べますか」


時計の短針と長針は12の数字を指していた。


僕は都会から少し離れた学校に通う中学二年生。いまは8月、夏休みの序盤。夏休みは入ってからはさっきみたいに友人の14から毎日電話がかかってきては、一緒に遊んでいる。二人で遊んでいるわけではなくいつもは大体もう一人の友人、6がいて三人で遊んでいる。この前はホラーゲームをやっていたっけな〜。まだ、攻略できてないから6を誘ってやろうかな~、とか考えながら自転車をこぐ。強い日差しの熱がヘルメットを通して頭に伝わり、夏を感じさせる。用水路の水も乾いて亀があるいているのが見える。14の家はそう遠くないので、すぐつくことになった。


インターホンをならして鍵の空いている扉を開けて 「お邪魔します」と、挨拶したあとに靴を脱いで階段を上る。14の部屋は階段を上がって右手にあるのでそこを目指す。玄関はいつも開けっぱなしなので勝手に入れと言われていた。最初の方は、「どうぞ~」とか言われないとはいれなかったのになと、慣れに驚きながら部屋の扉を開けた。いつもは、扉を開けるとすぐにゲームをしている二人が見えるのだが、今日はパソコンを囲んでなにか話しているようだった。何を見ているのか気になりながら「おはよう」と、告げると二人はいま気付いたのかこちらを振り向いた。


「ちょっとこっち来てみ」


6はあいさつも無しにそう言った。恐らくパソコンの事だろうと近づいていくと、案の定、6はパソコンの画面を見せてきた。そこには「2999億年ボタン」という文字とディフォルメされたボタンの絵がうつっていた。詳しく聞くとそれはひとつのサイトであるらしく、一度押すごとに一億年ずつ増えていくものらしい。ってことはこいつら、僕が来る間に2999回ボタン押してたのか。暇なのかこいつら。そう考えていると。さくやがパソコンを差し出して


「じゃあ、記念すべき3000回目はお譲りしますwww」


と言った。要るか要らないかで言えばいれないが、どうせなんといっても引くことはないと思う。ただ一度クリックするだけだし、断る理由はない。ならば、とっと押して満足してもらおう。そう思い無言でカーソルをボタンの位置に合わせ指にちからを加えた。




カチッ

そんな音がして画面の数字が変わった。


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